ノベル版『女騎士、経理になる。』~第2章その⑦

幻冬舎コミックス運営のWEBマンガ雑誌「デンシバーズ」と幻冬舎ゴールドオンラインによる特別コラボ企画。デンシバーズの好評連載『女騎士、経理になる。』の原作小説で、2016年6月24日に発売された単行本『女騎士、経理になる。①鋳造された自由』のプロローグと第1章、第2章、第3章を無料公開します。今回は第2章「ガバメント・オブリゲーション」その⑦です。

カキカキ……

 

黒エルフ「今までの話をまとめるとこうなるわ」

 

 

老練工房「ほう、小切手の取引を帳簿につけるときは、現金または当座預金の勘定科目を使うのか。たとえば『小切手』という勘定科目を使ってもよさそうなもんだが……?」

 

黒エルフ「帳簿のつけ方もついでに説明するわね」

 

カキカキ……

 

黒エルフ「たとえば関所の通行料を小切手で支払った場合は、こんな仕訳になるわ」

 

 

老練工房「関所の通行料って旅費交通費なんだな」

 

女騎士「うむ。有料道路の利用料は旅費交通費になる」

老練工房「有料道路」

 

工房長「うちの工房では、商品の代金として小切手を受け取ることがあります」
黒エルフ「その場合は、こんな仕訳ね」

 

 

老練工房「へえ、『現金』の勘定科目で処理しちまうのか」
女騎士「言っただろう、小切手は『現金の代わりになるもの』だと」

 

老練工房「だけどよぉ、工房長。うちの工房じゃあ、小切手を現金に換えることは滅多にないんじゃねえか?」

 

工房長「受け取った小切手は現金にせず、そのまま当座預金に預けることが多いですね」
黒エルフ「その場合は『当座預金』の勘定科目を使うわ」

 

 

工房長「どうですか、小切手について少しは分かりましたか?」
老練工房「いやあ、姉ちゃんたちと喋ると勉強になるや」

 

女騎士「任せてほしいのだ!」
黒エルフ「この程度、基本中のキホンよ」

 

衛兵「……失礼する!」

 

工房長「衛兵さまが、この工房にいったい何のご用でしょう?」
衛兵「ここに港町銀行代理人が来ていると聞いている!」

 

女騎士「代理人は私たちだが……」

 

衛兵「王国府より伝言だ! 国王さまは、お前たちの謁見に応じてくださる!」

黒エルフ「謁見? そんなの頼んでないわ」

 

衛兵「知らん!」

黒エルフ「知らん……って、あんたねえ──」

 

衛兵「本日、日没の時刻に王宮に参じよ! 伝言は以上だ! では、失礼する!」

 

ザッ ザッ ザッ……

 

女騎士「どうやら嘆願書だけでは、購入金額の変更には応じてもらえないようだな」

 

黒エルフ「無茶な金額を吹っ掛けておいて、今度は直接挨拶に来いですって? 何それ、感じ悪ぅ! だいいち、カネを借りるのは王さまでしょ? 挨拶に来て頭を下げるべきは王さまのほうじゃない!」

 

工房長「そんな無茶な……」

黒エルフ「きっとヘドロヒキガエルみたいにケチで意地汚いやつなんだわ、王さまって」

 

女騎士「王さまは12歳のはずだが」

黒エルフ「なら、オタマジャクシね!」

 

老練工房「ははは、オタマジャクシか! そいつは可愛いや!」

黒エルフ「可愛くなんかないわよ。ぬるぬるで超気持ち悪いんだから」

 

女騎士「……」じぃっ
黒エルフ「な、何よ。あたしの台詞に文句でもあるわけ?」

 

女騎士「……いや、謁見するなら、その格好ではマズいと思って」
工房長「いま着ているのは、港町の平民の作業着ですよね」

 

老練工房「王さまの前に出るなら、もう少しきちんとした身なりのほうがいいな」
黒エルフ「……正装の着替えなんて持ってないわよ」

 

女騎士「そうか! ならば私に任せてくれ!」
黒エルフ「?」

 

女騎士「さっそく買い物に出かけるぞ!」

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女騎士、経理になる。 ①鋳造された自由

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原作:Rootport,イラスト:こちも

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