前回は、空室対策で留意したい地方の管理会社とのコミュニケーションについて説明しました。今回は、賃貸物件の購入前に「よい管理会社」を見つけておくべき理由について見ていきます。

不動産業者は客付けしやすい新築物件を優先しがち

前回に引き続き、地方で管理会社に嫌われてしまった失敗事例について見ていきます。

 

地方物件を購入したオーナーさんから、「空室が埋まらない」と相談を受けて、いろいろなやり方で調査を行いました。オーナーさんは賃貸相場とか、空室状況とか、需要がある・ないとか、そういった部分は非常に気にされてしっかり調べる方も多いと思います。

 

でも、その地域にある店舗が、仮に大手フランチャイズ加盟店でホームページもしっかりしているようなところだとしても、従業員数を見てみたら、店舗には5人くらいしかいないということがあります。

 

一方で、その店舗が抱えている空室の数がどれくらいかというと、500件を超えていたりします。不動産業者である私たちは「これだけの空室を5人で埋めていくのに、いったい何日かかるんだろうな」と思いました。彼らも売り上げが必要ですから、決めやすい物件から着手します。

 

仮に空室物件の半分が新築だったら、決まりやすい新築を優先することでしょう。そもそも中古にこだわる理由は彼らにはないのです。その店舗がどうやって利益をあげているか想像すると「ああ、ここは地主さんの新築で潤っている店舗だな」といった予想が立ちます。

 

そうなると、その地域で中古物件を買った場合、客付けでの苦戦が予想されます。どんなに通いつめて菓子折りを持参して「客付けをお願いします」と営業しても、彼らにとっては儲からない以上、動きにくいというケースがあります。

物件を買ってから管理会社を探すのは危険!

そのエリアにどういう入居者がいて、その入居者をどの不動産会社が集めているのかを想像するのは重要です。そこに工場、会社、病院といった職場があれば、マーケットは存在します。あとはきちんとした管理会社があるかどうかです。

 

「きちんとした管理会社があるから、この場所にこういう物件を買っても大丈夫だろう」、この順番で物件購入は検討すべきです。物件を買ってから管理会社を探していると、一か八かではないですが、不確定要素があるので、賃貸経営が失敗する確率も上がります。

 

せっかくいい管理会社を見つけても、オーナーさんの経験不足から、間違えた業者対応してしまうと、業者も非協力的になります。それが長引けば物件運営に苦戦しますし、ほかの管理会社を探そうにも代わりが見つからないこともあります。

本連載は、2016年10月11日刊行の書籍『失敗例から学ぶ儲かる不動産投資の極意』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

失敗例から学ぶ 儲かる不動産投資の極意

失敗例から学ぶ 儲かる不動産投資の極意

平山 智浩・渡辺 章好

幻冬舎メディアコンサルティング

物件の周辺環境の変化、急な修繕、家賃滞納など数々のリスクが潜む不動産投資において、事前にそのリアルな失敗パターンを知ることが不可欠です。多くの個人投資家にコンサルティングを行い、それぞれに合った不動産投資の方法…

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