今回は、結露を防ぐ「二重窓」が日本では普及しない理由を見ていきます。※本連載は、経済評論家として各媒体で活躍する上念司氏の著書、『家なんて200%買ってはいけない!』(きこ書房)の中から一部を抜粋し、著者自らの体験談を交えた「間違いだらけの家選び」について紹介します。

日本では「二重窓」の普及率はたった21.1%

寒い国では「木製サッシ+二重窓」が基本です。窓自体に断熱を施して熱伝導を悪くすることで室内の結露を防ぎます。でも、恐ろしいことに日本の住宅に二重窓はまったく普及してないのです。

 

総務省統計局の調査結果が公表している2008年時点のデータによると、その普及率はなんと21.1%。つまり、日本の家の8割は、毎年冬になると家の中に滝が出現するということでしょうか。まぁ、冬も暖かい地方は除いても良いでしょうから、8割はいい過ぎかもしれませんが。

 

[図表]都道府県別「二重サッシまたは複層ガラスのある家」の割合

住宅の「品質を保つ」という考えが欠落している

結露を防ぐことで住宅の寿命は長持ちするわけです。こんなの基本中の基本ですが、どうして日本では木製サッシや二重窓が標準装備じゃないのでしょう。マニアックなカスタマイズなんて本当にどうでもいいので、もっと住宅の寿命を延ばして転売価値を高めるべきです。なぜ人々はそうしたところに頭を働かせないのでしょうか?

 

──そうなのです。売る人間も、買う人間も、転売価値なんてものはまったく考えていないのです。住宅を建てたあと、その品質を保つ努力をするという意識が欠落しているのです。買う人がほぼ全員悪魔に取り憑かれています! 住宅『オーメン3(※)』ですよ。

 

(※)『オーメン』

1976年に公開されたホラー映画。6月6日の午前6時に誕生し、頭に666のアザを持って生まれてきた少年・ダミアンの周辺で起こる怪奇現象を巡り、彼の正体に迫る作品。人気を博したために続編が3作公開されたほか、2006年には初代のリメイク映画(邦題は『オーメン666』)も製作された。

 

木製サッシより、「駅から○分」「○LDK」のカタログスペック重視! 結露で腐りかけた家も、駅の近くなら高く売れてしまったりします。こうやって、悪魔は犠牲者を増やしながら勢力を拡大させていくのです。

 

もちろん、初めて家を買った時の私はまだ29歳だったので、まったくそんな知識はありませんでした。だから、買ったあとに窓が滝になって愕然としたわけです。オーダーメイドで作ったレースのカーテンにはカビがはえるし、冬場は朝昼晩と滝の世話。カビはアレルギーなど健康面に悪影響も及ぼしかねません。

 

それからこれは指摘していただいたご意見ですが、目には見えない「壁内結露」も要注意です。

 

断熱材が適切に施工されてなかったり、経年劣化でやせてきたりすると、すきまができたり、断熱性が壁の中で不均衡になったり・・・それがまた壁の中で見えない結露の原因になります。もちろん壁の中もカビだらけ。結果、柱や土台が腐食してもろくなってしまうわけです。

 

かつて、自分で自分に「この家はいい家だ」といい聞かせていましたが、洗脳が解けた今、改めて宣言します。

 

滝はいらない!!

 

皆さんも、くれぐれも転売価値を無視した悪魔の考えに則って建てられた家には住まないようにしましょう。さもなければ、「窓が滝になる」という天罰が下ります。

家なんて200%買ってはいけない!

家なんて200%買ってはいけない!

上念 司

きこ書房

「空き家率は将来、40%になる」 「今後は誰もがタダで家を手に入れられる」 「家賃のほうが、ローンの支払額より安い」 舌鋒鋭い経済評論家、上念司が自らの体験談を交え、初めて語るマイホーム本! 人口減少、少子高齢…

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