今回は、株式投資は本当に「ギャンブル」なのかを探っていきましょう。※本連載は、一般社団法人円流塾の代表理事で、ファイナンシャルプランナーの吹田朝子氏と、テクニカルアナリストの石川紀子氏による共著、『お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由』(C&R研究所)の中から一部を抜粋し、投資本来の役割や歴史、お金との上手な付き合い方をストーリー仕立てで紹介します。

「株式投資なんて、ギャンブルみたいなもの」

「株式投資なんて、そんなものやめなさい! ハマったら怖いでしょ!」

 

家に帰って、株のことを母に話してみた私は、いきなり面喰らった。

 

「そんなもの・・・だなんて」

 

「そんなの、ギャンブルみたいなものなんだから。まったく! やっと仕事にも慣れて落ち着いてきたかと思ったら、もう危ないものにふわふわと。油断もスキもないんだから」

 

はあ、せっかく気持ちよく食事をしてきて、いろいろと学ぼうと思っているのに台無しだ。そんな私の気持ちなんてお構いなしに、間髪いれずに、まだ母は話してくる。

 

「いい? 親戚の和夫おじさん、いるでしょ? とってもいい人なんだけど、株で大損しちゃっているのよ。いまだに売れない塩漬け株ばっかりもって、奥さんにも子どもにも迷惑かけているのよ」

 

「ふーん、和夫おじさんがねぇ」

 

「人間真面目が一番よ。地味かもしれないけど、無駄遣いなどしないで、コツコツとお金を貯めて、そして真面目な人と結婚できて・・・」

 

「はいはい、そこですか」

 

何とも居心地が悪いので、リビングからさっさと離れて、自分の部屋へ行くことにした。

 

実際にやっている人から話を聴くのが一番

親は親、私は私。ちょっと調べてみよっと。

 

もともと調べたり勉強するのは嫌ではないタチなので、さっそくパソコンを開いて、「株式投資とは」と検索してみた。

 

用語集から、証券会社のページ、教育的な学校のページなどたくさん出てくるが、あまりピンとこない。

 

「『企業が発行する株(株式)を売買する』いかにも教科書っぽい説明だわ。『株式投資で儲ける』みたいなすぐ儲け話のサイトだと、胡散臭いし・・・。そういえば、智恵のお兄さんは、儲けるなんて一言も言わなかったよね」

 

今まで給料などは、普通預金に貯めているだけだったから、儲けるなんて、天と地くらい大きな距離感を感じてしまう。でも、最近、預金で置いておくのも面白味ないし、何かもっと役立てそうな手段があるならくらいの感覚なのが正直なところである。

 

「そもそもなんで株っていうのかな? 株って、野菜のかぶから来ているのかな? 絵本の『おおきなかぶ』懐かしいなぁ。おじいさんが、かぶをひっぱって、おばあさんもかぶをひっぱって・・・」私は子どものころに戻ったように、前のめりになってきた。

 

「英語では株ってなんていうのかな? 野菜のかぶは英語で『turnip』、株式のほうは、『share』とか『stock』と言うのかー。株式を発行するのは『issue shares』、株式市場は『the stock market』」わかるようでまだ何だかわからない。

 

私は、ネットで検索しながら、ぐるぐると株、株式、株式投資についてあさっていった。1時間くらいパソコンを見ていただろうか、首が疲れてきたのでパソコンを閉じた。

 

「やっぱり、実際にやっている人から話を聴くのが一番」と自分で自分につぶやいた。

 

何年もやりながら、ギャンブラーのような臭いもなく、家族とも楽しそうに生活している人なら、それだけうまく付き合っているに違いない。やっぱり、大輔さんに率直に聞いてみよう。それに剣道の応援もしてみたい。

 

ちょっと憧れも感じながら、大輔さんと一緒に話せるのを楽しみに、土日の予定を組むことにした。

お金オンチの私が株式投資を 楽しめるようになった理由

お金オンチの私が株式投資を 楽しめるようになった理由

吹田朝子、石川紀子

C&R研究所

本書は、株式投資に対して「株って怖いもの?」「ギャンブルなの?」などと漠然とマイナスのイメージを持っていて、投資を始められない初心者のために、投資本来の役割や歴史、お金との上手な付き合い方をやさしく丁寧に解説し…

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