スリランカから始まる「英国式」英語教育の可能性

写真:GTACスタッフ

スリランカが抱える深刻な英語力不足の課題。ブリティッシュ・カウンシルのベンチマーキングは、国の主要産業における英語力の現状を把握するのに大きく貢献しています。その取組みにはどのような特徴があるのか、前編に引き続きお届けします。

英語力の多面性を意識した目標の具体化

イギリスの国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルによる英語力を測るベンチマーキングでは、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)(※1)を採用し、読み書き、スピーキング、ヒアリングの項目に応じて、各業務に必要な英語のレベルを測定している。CEFRとは、英語力の測定や英語教育の実施の際などに用いられ、20年もの研究のもと誕生した国際的な評価軸だ。言語熟練度は6段階で評価され、一番低いレベルでは挨拶や自己紹介は出来る程度で、一番高いレベルでは複雑な状況に対応できるほどの実力だと認められる。

 

「上司にとっての一番の苦労は、従業員に改善してもらいたい点を具体的に示すことです」とブリティッシュ・カウンシルの東南アジア事業開発部長であるMark Elliot氏は話す。「通常は、英語力が必要とだけ伝えるでしょう。ですので、ベンチマーキングのようなことが出来ていれば、その組織が考える各役割に必要な英語力とは何かを、明確に伝えることが出来るのです」

スリランカをモデルに全世界に拡大も

企業が求めれば、ブリティッシュ・カウンシルのチームがその企業における各役割に必要な英語力を見定め、さらに従業員がそれだけの英語力を身につけているかも判断してくれる。そのことにより、企業は従業員が相応しいスキルを持っているのか、あるいは、彼らをサポートする必要があるのか確信を持って判定できるのだ。

 

仮に従業員へのサポートが必要となる場合はブリティッシュ・カウンシルは、その企業に向けてカスタマイズされたスキル向上コースを、オンライン上でも対面式でも、あるいはその両方を併用しながら提供する。また企業が望めば、再度の評価をすることも可能だ。

 

「企業側のメリットは、従業員に対しどのような目標を立てるべきかが明確に分かることでしょう」とElliot氏は説明する。「あるいは、私達がその企業が目指すべき方向を提示することも出来るのです。また、その測定からきちんと成長できたのかをチェックする機会も提供できます」

 

このベンチマーキングは、スリランカに拠点を置いて60年が経つブリティッシュ・カウンシルが、スリランカ独特の英語事情に気がついたことをきっかけに始まった。そのため、このプログラムはスリランカに限定した取組みとなっているが、他国にも応用できないか現在模索されている。

 

※1 ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)
Common European Framework of Reference for Languagesの略称。言語能力を評価する国際標準規格。欧州内の人材流動化に伴い、言語能力の評価を欧州統一基準で行う目的などから作られた枠組み。 

※2 ソフトスキル
コミュニケーション、分析力、語学力、リーダーシップなど、マニュアル化することが難しい能力を指す。

 

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年5月に掲載した「Benchmarks For English Skill: The Right Grasp」を、翻訳・編集したものです。

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連載スリランカの英語力を下支えするブリティッシュ・カウンシル

『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

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