地震によるニュージーランド不動産市場への影響は?

11月14日未明、マグニチュード7.5の地震が発生したニュージーランド。日本でも報道されたのでご存知の方も多いかと思いますが、実際の現場ではどのような状況になっているのでしょうか。今回は、地震後のニュージーランド各地区の被害状況と、不動産市場への影響を見ていきます。

オフィスビル群に大きな被害があった首都ウェリントン

11月14日の未明、ハンマースプリングスを震源地とするマグニチュード7.5の地震が発生しました。この地は、温泉で有名な観光都市で、日本人観光客も多く訪れています。

 

 

ホエールウォッチングで有名な、カイコウラの町も被害に合いました。この地震で被害を受けた方へのお見舞い、および、お亡くなりになった方へのご冥福をお祈り致します。

 

ニュージーランドの首都である、ウェリントン市内中心のオフィスビル郡にも被害がありました。しばらくの間立ち入り禁止でしたが、ようやく最近建物に戻ることができ、業務を再開しています。一方では壊れたビルの解体も順次行われており、被害の状況は隠せるものではありません。

 

地震当日、震度1程度の揺れを感じたオークランドでは、地震なのか、自分がふらついているのかわからない状態でした。幸い、オークランド、ワイカト地方に被害はなく、普通の生活が送れていることに感謝しています。

 

筆者はオークランドに移住して約20年になりますが、震度1程度の地震は今までに3回経験したことがあります。

 

ウェリントンは首都ですから、政治の中心となっています。しかし、ビルや建物の被害が出たことで、首都移動説も流れており、ますますオークランドの住宅不足、強いては不動産価格物価上昇への兆しが予測されます。

家賃が上昇し、不動産投資家にとっては追い風に

住宅物価高騰による自己住宅所有率が低くなり、賃貸物件への需要が高くなってきています。オークランド市内には、現在1万4000戸のアパートメントを中心とした賃貸が出ていますが、1%程度しか空室率がなく、賃貸運営の好調さが数字に表れています。

 

この四半期で比較してみると、市内中心のアパート建設が特に盛んとなっています。2014年、2015年の同時期四半期の賃貸部屋数は、それぞれ263戸、285戸でしたが、今年は387戸に増えています。

 

家賃に関しても、低い数値ながら上昇中です。3LDKの平均家賃は、週507NZドルから519NZドルとなっています。ただ、これはあくまでも平均値なので、海が見える豪華な物件では、3LDKで週850NZドル〜950NZドル、中には、1000NZドルを越える物件も数多くあります。日本円にして、月約30万円の家賃です。

 

収入の40%から半分が居住費となりますから、一般庶民にとっては厳しい状況です。特に若い世代では、フラット化=共同生活での暮らしを余儀なくされている現状です。

 

マウントイーデン地区という高級住宅地がありますが、ここは以前までは市内へのアクセスの良さから、大学生の寮のような3LDKの一戸建てで、共同生活をする若者が多い場所でした。お祭りの時期には学生達が大騒ぎする様子が見れたものです。

 

しかし現在は、市内にアパートが建ち、学生達は便利な場所、近代的なモダンな生活へと移行してしまいましたので、元の一般住宅地に戻り、高級住宅化してきた歴史があります。

 

投資物件購入を検討され、視察に来ていただくお客様には、本当にこの物件を購入して、週500NZドル、600NZドルもの家賃で借りてくれる方がいるのか? 空室率はどれくらいだとよく聞かれます。

 

もちろん、賃貸管理会社が保証してくれるものではありませんが、地方都市の一部の会社では、3週間営業広告を試みて入居者が見つからない場合は、家賃保証をしてくれます。それだけ、入居者を探せる自信があることが伺えます。

 

また、管理会社間の競争も激しくなってきていますので、差別化のために家賃保証が付け加えられているのです。

 

クリスマスまで、あと4週間となりました。現在不動産業界は、超ハードな時期を迎えています。賃貸物件であっても、クリスマスは新居で過ごす習慣があることは連載第62回で説明しました。引越し会社や清掃会社など、家=住まいに関する業者にとって一番の稼ぎ時でもありますので、街全体に活気があり、人々の暮らしの豊かさを感じる時期でもあります。

 

ニュージーランドで不動産投資が盛んに行われている理由の一つとして、不動産売買、賃貸運営が、家主リードで行えることがあります。時期によっては逆転することもありますが、まだまだ家を提供できる側にとって、選択の余地があり強い立場が保たれています。

 

なお、一軒家であれば基本的に家具なしの状態で貸しますので、家主側は家自体を用意するだけでいいのですが、アパートメントの場合は、家具付の方が高く貸せる場合があります。特に学生向け賃貸物件の場合は、机も含む家具を用意した方が、限られた年数のみ滞在する予定の学生に喜ばれます。

 

週50NZドル~80NZドル高い家賃が取れたとして、年間2600NZドルから4160NZドルの家賃収入。そして、ベットなど家具一式用意する費用が、3000NZドル〜5000NZドルとなります。1年目の家賃上昇でその費用はまかなえ、2年目からは利益率が上がりますから、家具付で運営することが可能となります。

 

 

もし、家具は必要なし、処分したいということになると、最低でも、全体で300NZドル〜500NZドルが戻ってきます。又は、寄付をして社会貢献することも良い選択でしょう。

 

物を大事にする国ゆえ、中古家具や二束三文と思われる品でも、価値がゼロになることはないのです。

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Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長

1982年、大阪女学院短期大学英語科卒業。カリフォルニア大学デイビス校留学。帰国後、旅行会社のツアーコンダクターに従事。1987年、ニュージーランドツアーの添乗を機に、移住希望を持つ。

1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、1996年に移住を実現。 自己の居住用物件さえあれば、落ち着いて生活ができると感じ、ワンルームマンション購入を実行。その経験を生かし、不動産業界に参入。当時インターネット環境が整いつつある中、日本語ウェブサイトを開設し、留学・観光・不動産投資についてのコンサルティングを始める。

現在、ニュージーランドの大手不動産売買仲介会社であるHarcourts New Lynn(ハーコウツ・ニューリン)支店にてセールスコンサルタントとして活動しながら、日本人のための投資コンサルタント会社Goo Property NZの代表としても活躍中。

著者紹介

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