専門の税目に実は特化!? 税務調査官の「弱点」

前回は、どのような人々が「税務調査官」になるのかを説明しました。今回は、税務調査官の「弱点」について見ていきます。

専門の税目に関しては裏の裏まで知りつくしているが…

前回説明したように、早い段階で個々の職員の専門分野を決めて、その分野のスペシャリストとして育てていくのが、税務署の人材育成の特徴です。

 

調査官はおおむね3年に1回のペースで異動がありますが、勤務する税務署が変わる「縦の異動」です。法人税を長く担当していた人が資産税に異動になるといったような、担当する税目が変わる「横の異動」はまずありません。

 

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相続税の税務調査の実態とその対応策

 

個人のキャリア形成からすると、さまざまな部署に行きいろいろな業務を経験するほうが望ましいことかもしれませんが、組織として見た場合、スペシャリストを育てたほうが作業効率は圧倒的によくなります。特に税務のように、高度な専門的知識を要求される仕事では、経験を積めば積むほど知識が蓄積されていきます。

 

特定の分野で専門教育を受け、確実にキャリアを積んできた人を、わざわざこれまで経験したことのない分野に異動させ、一から教育し直さなければならない必然性は、どこにもありません。

 

このようにして、税務署の職員たちは、専門の税目に関しては裏の裏まで知り抜いたスペシャリストになっていきます。

自分の専門税法以外のことを「ほとんど知らない」人も

しかし、これは裏を返せば、専門分野には秀でているけれども、ほかの分野はいつまでたっても未経験でわからないままになるということでもあります。

 

税務署の職員には、長く勤務すると国家試験を受けずに税理士の資格を取得できるという特権があります。もちろん内部の研修を受けて認定試験に合格するなどの条件はありますが、一般の人が税理士試験を受けて合格することに比べれば、かなりハードルは低くなります。

 

そのため退官してから税理士として開業する人が少なからずいるのですが、その中には自分の専門税法以外のことをほとんど知らない人がかなりの割合で存在します。

 

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現役時代、ずっと法人税畑を歩いてきて、法人税については裏の裏まで知り抜いている人が、資産税についてはほとんどわからないということもあるのです。中には「僕、相続税のことは何もわからないから、頼まないでね」などという「猛者」もいるくらいです。

本連載に記載されているデータおよび各種制度の情報はいずれも、出典元である服部誠著『相続税の税務調査を完璧に切り抜ける方法』(幻冬舎メディアコンサルティング、2013年)の執筆時点のものであり、今後変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

税理士法人レガート 代表社員・税理士

昭和34年1月生まれ。中央大学商学部卒。昭和58年6月税理士登録。
人と人とのつながりを大切にした「誠実な対応」「迅速な対応」「正確な対応」をモットーに、税・財務の専門家として、個人の資産運用や相続・事業承継に関するコンサルティング、相続申告業務において多数の実績を持つ。相続申告・贈与申告・譲渡申告等の関与件数は1000件を超え、その経験を基に雑誌などのメディアや書籍の執筆活動なども行っている。

著者紹介

連載相続税の税務調査を完璧に切り抜ける方法

相続税の税務調査を 完璧に切り抜ける方法

相続税の税務調査を 完璧に切り抜ける方法

服部 誠

幻冬舎メディアコンサルティング

内情と対応策がわかれば税務調査も怖くない。本書は、ほかではあまり知ることのできない税務調査の実態について解説。また、税務調査を意識した相続税の生前対策についても詳しく解説しています。資産税に強い税理士だからこそ…

相続税の税務調査を 完璧に切り抜ける方法[改訂版]

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幻冬舎メディアコンサルティング

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