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連載相続税の税務調査を完璧に切り抜ける方法【第18回】

税務調査を行う「税務署」と「税務調査官」の基礎知識

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税務調査を行う「税務署」と「税務調査官」の基礎知識

前回は、税務調査官から依頼される「一筆」に応じてはいけない理由を説明しました。今回は、税務調査を行う「税務署」と「税務調査官」の基礎知識を見ていきます。

誤った申告を調べ、国民の生活を守る「税務調査」

第1回からの連載で、税務調査がいかなるものなのか、そしてそれは相続税を払った人の誰もが受ける可能性があるということがおわかりいただけたことと思います。

 

今回は、対策の第一歩として、「敵を知る」ところから始めていきましょう。この場合の「敵」とは税務調査の実施主体である税務署と実際に調査を行う税務調査官です。

 

納税者が納付する税金で成り立っているわが国では、国民の一人ひとりが得た所得や収入、それに相続財産の額に見合った適正な税金を納付することが義務付けられています。

 

ただし、税金は納税者の申告によって納付されるものであり、うっかりミスで誤った申告をすることもあるでしょうし、中には故意に脱税を狙った申告をする場合もあります。ケアレスミスであれ、仮装隠ぺいされた虚偽の申告であれ、申告自体に誤りがあると、納付された税金の額は誤った額ということになります。

 

それがまかり通るようでは困るので、国はチェック機関を設けています。その役割を最前線で果たしているのが税務署というわけです。

 

税務署内の個人課税部門、資産課税部門、法人課税部門などの各部門では、専門の教育を受けた国税のスペシャリストたちが、提出された申告書のチェックや不明点の洗い出し、納税者の取引先金融機関、さらには納税者自身への対面調査など、いろいろな角度から調査を行っています。

 

このような税務署の働きは、私たちの生活を守ることにつながっているのです。

国税局による調査は「3つの部門」が取り扱う

税務署は国税機関のひとつです。国税機関は上から順に、財務省の外局である国税庁、その下に全国12の国税局(沖縄国税事務所を含む)、さらにその下に全国524の税務署というピラミッド構成になっています。

 

構成員の数は全体で約5万6000人といわれていますが、そのうち国税庁の職員はわずか1%。残りは国税局が約1割、残り9割近くが税務署勤務になります。

 

ちなみに国税職員の間では、国税局と税務署の関係を金融機関の本店と支店になぞらえ、前者を「本店」、後者を「支店」と呼ぶ習わしがあります。税務調査の多くは「支店」である税務署が担いますが、案件によっては金額が大きいために対応が難しい場合があります。そんなときは「本店」が対応します。

 

国税局で調査を行う部門は、査察部と調査部と課税部に分かれており、それぞれ相対する性質を持っています。

 

査察部のほうは「体で稼ぐ部署」といわれており、実際、ドラマの刑事ものさながらに脱税を見つけるために尾行など、体を張った調査を行うことが多いとか。

 

一方、調査部のほうは「頭で稼ぐ部署」といわれており、主に大企業の調査を行っています。税務調査は綿密な事前調査が非常に重要です。国税局で扱う案件は金額が大きいので、強力な頭脳プレーが要求されます。

 

また、もうひとつの頭脳集団として名高いのが、課税部の中の資料調査課(俗称「リョーチョー」)です。資料調査課では、大企業でなくても多額の脱税が想定される納税者(個人も含む)を調査しており、これらの部署にいる人たちが真のエリートと目されています。

本連載に記載されているデータおよび各種制度の情報はいずれも、出典元である服部誠著『相続税の税務調査を完璧に切り抜ける方法』(幻冬舎メディアコンサルティング、2013年)の執筆時点のものであり、今後変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

服部 誠

税理士法人レガート 代表社員・税理士

昭和34年1月生まれ。中央大学商学部卒。昭和58年6月税理士登録。
人と人とのつながりを大切にした「誠実な対応」「迅速な対応」「正確な対応」をモットーに、税・財務の専門家として、個人の資産運用や相続・事業承継に関するコンサルティング、相続申告業務において多数の実績を持つ。相続申告・贈与申告・譲渡申告等の関与件数は1000件を超え、その経験を基に雑誌などのメディアや書籍の執筆活動なども行っている。

著者紹介

連載相続税の税務調査を完璧に切り抜ける方法

相続税の税務調査を完璧に切り抜ける方法

相続税の税務調査を完璧に切り抜ける方法

服部 誠

幻冬舎メディアコンサルティング

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