前回は、営業マンに「行動ノルマ」を持たせるべき理由を説明しました。今回は、営業マンの「気持ち」の導き方について考えてみます。

なぜ「自分が一番」で「お客様が二番目」なのか?

契約を取ることが仕事の営業マンというのは基本的に、モノやサービスを〝売りたい人たち〞です。ですから、意識的か無意識的かは別にして、自分が売りやすいようにお客様を誘導しようとします。

 

これは営業という職業の特性でもあるので、ここを否定してしまうわけにはいきませんが、一方で、商品やサービスはお客様のためにあるものです。商品やサービスを購入することで、お客様やそのご家族に幸せになっていただかなくてはなりません。

 

営業マンは、自分が売っているものがお客様の幸せと合致しているかの意識を常に持たなくてはならないのです。

 

「売りたい気持ち」と「お客様のためを思う気持ち」、このどちらも同じくらい大切なものです。そのことを、私は折に触れて営業マンたちに伝えています。両方を認め、そのバランスを見ていく必要があるということです。伝えるときに意識しているのは、正論や倫理観を問うようなことではなく、結果が自分のためにどうなるのかということです。

 

私たちは「お客様の笑顔が増える住環境を創造する」という理念を掲げています。文字通り私たちと縁を持ったお客様の笑顔を増やすということです。縁を持ったお客様の笑顔が増えたのか? 減ったのか? 減ったのなら近い将来営業マンも会社も市場から放り出されてしまうでしょうし、増えたのなら売上も伸びるはずです。

 

この現実を肝に銘じていれば、聞こえがいいから、見た目がいいからという浮ついた理念なのではなく、全てが自分のためになるのだと理解できるはずです。

 

考え方としては、お客様第一というより、一番は自分、二番目がお客様です。自分のためにしていることで結果的にお客様のためになり、笑顔が増えるのであれば素晴らしいことです。

 

自分の欲のためだけでお客様が結果的に損をするのでは、自分の仕事に誇りも持てないでしょうし一生を賭ける仕事にはならないと思います。また逆にお客様のためにと自己犠牲ばかりでも長く続かないと思います。目指す理想は、対等な関係の構築です。

 

そのためには、売りたい気持ちの大きさと、お客様を思う気持ちが同じでなくてはなりません。どちらかに極端に偏ると、契約も取れなくなるでしょうし、仮に取れても、取り続けることは難しいでしょう。

「売りたい気持ち」「顧客を思う気持ち」どちらも大事

営業マンの「売りたい気持ち」だけを評価する会社というのは、「売ること」が第一になっている会社です。

 

「今月はこれだけ売ってこい」とノルマを課すのが最たる例ですが、売ることが結果の全てなのです。それ以外のことは二の次、三の次という価値観なのでしょう。一時は売上が上がるかもしれませんが継続していくことは厳しいと思います。

 

では逆に、「お客様のためを思う気持ち」ばかり優先するとどうなるかというと、会社としての利益が上がらなくなります。自分の利益を度外視して、お客様のためだけに存在するというのは、突きつめていくとボランティアと変わらないでしょう。

 

これは単に、利益を出すための努力を怠っているだけでただの甘えでしかありません。ボランティアはビジネスとは違います。

 

私は両方のバランスを見ながら、営業マンたちをコントロールしていくことに細心の注意を払っています。

本連載は、2016年10月28日刊行の書籍『見込みゼロ客をヘビーリピーターに変えるスゴい営業の仕組み』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

見込みゼロ客を ヘビーリピーターに変える スゴい営業の仕組み

見込みゼロ客を ヘビーリピーターに変える スゴい営業の仕組み

武蔵原 一人

幻冬舎メディアコンサルティング

「受注が取れない」「売上も伸びない」「営業マンは辞めていくばかり」――負のサイクルを断ち切り、激化する顧客争奪戦を勝ち抜くカギとなる「見込みのない顧客をリピーターに変える仕組み」づくりを3ステップで徹底解説しま…

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