「入居者ターゲット」に合った内装とは？

フィリピンの賃貸物件は、すべて家具家電付きが条件です。ターンオーバーの後は、内装を整えて部屋に家電を設置してから入居募集を行います。入居募集のことを、「客付け」もしくは「入居付け」と言いますが、入居付けに強い物件は、賃貸ニーズに合った物件となります。

そのため内装は、入居者ターゲットに合ったものにする必要があります。

日本で分譲マンションを購入するときは、壁や床など、すべてが仕上がった状態での引き渡しになりますが、フィリピンでは内装は別発注になります。この予算を最初から見込んでおきましょう。

とはいえ、さほど大がかりな工事はありません。別発注といわれると、まったくのスケルトン状態を想像するかもしれませんが、部屋は完成されており壁も床もある状態です。言ってみれば、入居者ニーズに合っていない、まだ「箱」状態ということで、ここから入居者に合わせた部屋の個性づくりを行うのです。

ただし、部屋としては完成しているため、最悪でも電化製品とベッドを入れれば貸し出すことができます。

家具家電一式を用意しておくのが一般的

家具家電というのは、具体的には、冷蔵庫、冷房、簡単なキッチン用品、電子レンジ、お風呂の給湯器、電気クッキングヒーター、ベッド、キャビネットいった家具家電一式が用意されているのが標準です。日本では入居前に家具はなく、せいぜいあっても照明とエアコン程度が一般的。ですからその点は大きな違いです。海外では、家具家電付きは珍しくありません。むしろ利回りを上げるためにも、オーナーが内装を完成させておくのが一般的なのです。

ただし入居者によっては、まれに家具なしで賃貸物件を探している人もいます。そのほうが安く借りられるため、一定の需要はあります。卑近な例になりますが、渡辺がフィリピンで自分の入居物件を探した際も、そのような割安物件を選んでいました。

フィリピンで入居付けを行う際には、どのような相手に、いくらで貸し出すのかといった点について作戦を立ててから、内装を考える必要があるのです。