どんな不動産が相続時の「お荷物」となってしまうのか?

相続対策の一環として、生前から「買い手がつかないと思われる」「税金ばかりかかって赤字を生み出す不動産」を整理しておくことが重要です。本連載では、相続時に問題となりやすい、これらの「お荷物不動産」について解説します。

相続時に問題となる、利益が少なく売却も困難な不動産

相続の準備としては、前回の連載『不動産にかかる莫大な相続税――「相続破産」の実態』で解説したような、相続税の負担を軽減するための対策をとることに加えて、不要な不動産の整理も重要になります。

 

不動産の中には、相続しても家族に利益が少なく、しかも売却困難なものがあります。「自分たちは使わないし、誰も買いたがらない。どうしたらいいんだ!」と相続した人たちが困り、悩むだけのいわば「お荷物不動産」です。

 

このような「お荷物不動産」の典型例としては以下のようなものが挙げられるでしょう。

 

① 地方の別荘地等

② リゾートマンション

③ 田畑

もしかして原野商法!? 別荘地とは名ばかりの不便な土地

まずは①から③の不動産が、そもそもなぜ「お荷物不動産」となるのか、その理由や背景などについて確認しておきましょう。

 

①地方の別荘地等

 

高度成長期から80年代のバブル期にかけて、全国的に地価が高騰していった中で、それまで人が住んでいなかったような山林地域まで開発され、別荘地として分譲されました。そのような土地を「定年退職したらここに家を建てて、のんびりと暮らそう」「いずれ余裕ができたら別荘をつくろう」「値段が上がったら売ろう」などと考えて、多くの人が購入しました。

 

また、ほとんど価値のない土地を、「近い将来このエリアには、鉄道が通り、駅ができます。地価が2倍、3倍になるのは間違いありません!」などと欺いて買わせる業者も現れました。いわゆる〝原野商法〞です。その被害にあった人も少なくありませんでした。

 

かつて、このようにして買われた地方の土地が、今、二束三文の値段で売りに出されています。土地を買ったはいいが、「年をとったら地方に移るのがおっくうになった」「上がるといわれて買ったのにちっとも上がらないので処分することにした」という人たちが、売り値を度外視してたたき売っているのです。

 

しかし、それでも買い手はなかなか現れません。地方の交通が不便な場所にある土地に誰も魅力を感じないからです。売りに出しても欲しがる人がいない土地――このような価値のない土地を家族が相続したくないと思うのは当然といえば当然のことでしょう。

 

この話は次回に続きます。

本連載は、2016年6月30日刊行の書籍『「相続破産」を回避する地主の生前対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載買い手がつかない「お荷物不動産」を生前に手放す方法

株式会社湘南財産パートナーズ 代表取締役

不動産相続関連のセミナーを頻繁に行うなど相続に強い不動産コンサルタントとして精力的に活動中。宅地建物取引士はもちろん、公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士、1級ファイナンシャルプランニング技能士、ファイナンシャル・プランナー(CFP®)、米国公認不動産経営管理士(CPM®)、米国公認商業用不動産投資顧問(CCIM®)、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士など数々の資格を持つ不動産・相続のプロフェッショナル。

著者紹介

「相続破産」を回避する地主の生前対策

「相続破産」を回避する地主の生前対策

加瀬 義明

幻冬舎メディアコンサルティング

2015年1月から実施された相続税増税により、「資金が足りずに税金が払えない」「不動産を手放すしかない」という人が急増しています。不動産の売却によって納税資金を用意できればいいものの、「隣地との境界問題が解決できず…

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