前回は、フィリピン不動産の購入時に特に注意したい「工期の遅れ」のトラブルについて説明しました。今回は、フィリピンの不動産投資では購入後の「アフターフォロー」があまり期待できない理由を見ていきます。

「売った時点で業者の仕事は完了」がフィリピン流

フィリピンの不動産投資では、買ったその後、管理が最も重要です。しかし、これから買うというお客様には、その点のイメージができないようです。

 

私たちの会社では、ワンストップで売買仲介から、管理運営、賃貸仲介のマッチングまでを行いますが、一般的にはそこまでコミットしていません。

 

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購入者からすると、「当然、賃貸・転売もサポートしてくれる!」と思い込んでいるのですが、売買仲介業者から言えば「そこまで私たちは関与しませんよ」と、やんわり言っています。その点を誤解していて、食い違いが起きるのです。

 

フィリピン人は楽観的でポジティブな性質ですが、半面詰めの甘いところがあります。日本人は当たり前のように「販売後のサポートもあるだろう」と勝手に思ってしまいますが、売った時点で業者の仕事は完了しているのです。

 

渡辺の友人が日本の仲介業者から物件を購入したときの話です。途中で業者のサポートがなくなってしまい、半ば諦めぎみで私たちのもとへ相談に来ました。

 

こちらでサポートすることも可能だったのですが「後の支払い処理は全部自分でやります」と言うので、そのままにしていたのです。その後、友人から連絡がありました。

 

「今月中に300万円を払わなければいけない。支払い期限を確認していなかった。どうしよう?」とSOSがありました。

「販売業者が日本人」でもトラブルは多い

友人は、残高の支払い期限をブローカーが教えてくれるものだと思っていたのです。しかし、物件を売るだけのブローカーはそこで仕事が完了しています。たまたまデベロッパーへ問い合わせたときに「あなた、未払いですよ。早く残高を払わないと権利がなくなります」と言われたそうです。

 

今すぐ300万円を用意できない場合は、物件を転売するしかありません。私たちは支払い先であるアヤラ本社へ行き、管轄部に物件を転売するまでの3カ月間支払いを待ってもらえるのか?その支払いが遅れるペナルティとして、月々何%の利息がかかるのかを確認しました。

 

このようなトラブルはかなり多く、私たちが知っているだけでも何十人もいますし、SOSを受けて個人的に対応したこともあります。これは「フィリピン人だから……」というものではなく、販売業者が日本人だとしても同じことです。

 

「同じ日本人だから大丈夫だろう!」と信用して任せっきりにしていると、思わぬところで足元をすくわれることがあるのです。

 

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その点から言えば日本人投資家のフィリピン不動産に対する意識は、完全に甘いと言わざるを得ません。「業者に任せておけば何とかなるだろう」という認識の方がほとんどですが、それは大きな間違いです。

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    本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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