法定相続人の中に「行方不明者」がいる場合の手続き

今回は、法定相続人の中に「行方不明者」がいる場合の手続きについて見ていきます。※本連載は、税理士・田中潤氏著『きっと今までになかった相続の権利調整を考える本』(メディアパル)から一部を抜粋し、相続を円滑に進める「権利調整」について、分かりやすく解説します。

行方不明者の代わりに「不在者財産管理人」を選任

ある人が亡くなって相続が発生した場合、通常はその人(被相続人)の家族がその遺産を引き継ぐための手続きに着手します。

 

その時、遺産を引き継ぐべき法定相続人の中にどこにいるのか分からない人がいる場合があります。そうした場合、残りの法定相続人だけでは遺産分割協議が出来ず、財産を引き継ぐことができません。

 

このような時は、家庭裁判所に不在者財産管理人選任審判の申し立てをして、不在者財産管理人を選任します。

不在者が死亡したものと見做される「失踪宣告の確定」

不在者財産管理人は遺産分割協議に行方不明者に代わって参加し、協議書に署名・押印して分割協議を確定させます。これによって、行方不明者がいても相続手続は遂行できるわけです。

 

また、不在者(行方不明者)の生死が7年間不明の場合には、相続人は家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをすることができます。

 

失踪宣告が確定すると不在者は失踪期間満了時に死亡したものと見做されます。失踪宣告が確定すると、失踪宣告の申し立て人は失踪宣告を受けた者の本籍地に失踪宣告届を提出しなければなりません。これによって、もし行方不明者の相続人がいれば新たに相続人に加わって分割協議がなされます。また、行方不明者自身の相続も同時に行なわれることになります。

税理士

様々な公益活動を通じて、保育・医療・介護・宗教・歴史と多角度から相続の本質を俯瞰し、家族が幸せになるための相続を志す。理事・顧問を務める公益法人・社会福祉法人・宗教法人・金融機関などとの連携による相続対策も行なっている。近作として、平成28年8月に被相続人と相続人が思いやりのあるコミュニケーションをするためのツールとして、相続気配りセットを制作。全国で発売中。現在、公益社団法人東日本大震災雇用・教育・健康支援機構及び公益社団法人受動喫煙撲滅機構理事長として、震災からの本当の復興と屋内完全禁煙の実現を目指している。

著者紹介

連載円滑な相続を実現する「権利調整」の進め方

きっと今までになかった相続の権利調整を考える本

きっと今までになかった相続の権利調整を考える本

田中 潤

メディアパル

生前そして亡くなってからの様々な場面で被相続人・相続人が示す判断、それは家族の幸せと 一族の平和を守る為の活動であり、そこでのコミュニケーションこそ相続の権利調整です。本書では、イラストと漫画で様々な相続案件を…

相続気配りセット

相続気配りセット

一般社団法人 相続よろず相談所

メディアパル

「相続気配りセット」は、いかに大過なく有形・無形の財産を承継してゆくか、ということに重点を置き制作しました。フルカラーのイラストも楽しく、肩ひじ張らずに気軽に必要な項目を書き込めます。財産を遺す人から受取る人へ…

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