今回は、マンションの「総会」の出席率を上げるために有効な「広報活動」について説明します。※本連載は、一級建築士・須藤桂一氏の書籍『まちがいだらけのマンション管理タブー集』(誠文堂新光社)の中から一部を抜粋し、マンション管理組合の理事や役員の方が間違えやすい点、その結果として生じる問題などについて、1つずつ具体的に取り上げ、わかりやすく解説します。

「広報活動って何をするの?」

毎年、総会や説明会の出席者は少ないのが定着していました。「住民は参加しないのが当たり前」という風潮が根付いているなか、今期の理事たちもあきらめムードです。

 

理事長:説明会なんて開いても、きっと出席者は少ないんでしょうね。

 

ナンデ:我々だって、理事になるまでは出なかったしなぁ(笑)。徒労に終わるかもしれないし。

 

理事長:そうですよねー。とりあえず掲示板に告知を出して、後は理事のメンバーでやりますか。

 

理事長たち:(だまってうなずく)

積極的に「情報発信」を行い、理事会活動をアピール

30世帯以下の小規模マンションであれば総会・説明会の出席率は高いのですが、50世帯以上のマンションになると、総会・説明会の出席率は極めて低くなってしまいます。

 

出席しないマンション住民は、いわゆる「サイレントマジョリティ=物言わぬ多数派」です。サイレントマジョリティには大きく分けて、無関心層と、関心はあるけどサイレントだという2種類がいます。

 

関心があるなしに関わらず、サイレントマジョリティ全員の賛同や理解を得て事を進めるのは、実現不可能と考えたほうがいいでしょう。もちろん出席率を底上げする努力は不可欠ですが、出席率が倍増するとか、ましてや全員の出席は望めません。

 

そこで、密室で議論をしていると言われないようにするためには、手続きを適正に実施する一方で、必ず必要になるのが広報活動です。

 

理事会での議事録を毎回公開するのはもちろんのこと、理事会のオブザーバー的な参加を促すのも一案です。そして、可能であれば、定期的な広報誌の発行も行ってみてはどうでしょう。

 

理事会にはアカウンタビリティ(説明責任)がありますから、こうした情報発信によって、理事会の透明性を伝えることができます。と同時に、理事会がしっかり機能していることもアピールできます。

 

こうした広報活動を継続させるために、理事会のなかに広報担当理事を設けてみてはどうでしょう。これまでに、広報誌を作成するなど広報活動に積極的なマンションをいくつか見てきましたが、住民同士のコミュニケーションが良く活気のあるマンションだという共通点がありました。

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