ポータルサイトの活用で利用者を広げる「MORIO─J」

前回に引き続き、地域通貨事業のモデル事例として、岩手県盛岡市の「MORIO─J」について見ていきます。

情報サイトとの連動で利用者・加盟店のメリットを訴求

前回の続きです。

 

MORIO─Jのもう一つの特徴は、市内の店舗や施設、イベント情報などを発信するポータルサイトと連動してMORIO─J関連情報を発信し利用者・加盟店のメリットを訴求していることです。ウェブサイトの運営も盛岡ValueCityが手がけ、カードとサイトを組み合わせることで利用者と加盟店のメリットを追求しています。

 

ポータルサイトでは、情報を「食」「遊」「住」と大きく三つに分けています。グルメ、遊び・トラベル、スポーツ、美容・健康といったジャンルから市内の店舗情報を閲覧したり検索したりすることが可能です。加盟店側はポータルサイト内に店舗の最新情報、販促情報や電子クーポンなどを簡単に掲載でき、利用者のスマホなどに発信することができるようになっています。

生活情報を簡単に検索できることが利便性の向上に

また、ポータルサイト内のコミュニティのページでは、住民がグルメやレジャーなどの情報を発信することができ、利用者目線の口コミなどを見ることができます。

 

現状は店舗や観光関連の情報が中心ですが、将来的には地域の求人情報、学校のサークルやイベント等の情報、医療機関の情報、住まいや交通に関する情報などを軸として、衣食住を含む暮らしの情報を総合的に発信するサイトを目指しています。

 

住民としては市内の生活情報を簡単に調べられるポータルサイトがあることで利便性が向上します。MORIO─Jポータルサイトはその点で大きな役割を果たすとともに、盛岡市のスマートシティ構想でも重要な位置付けにあるといえます。

 

特にスマートフォンの普及率がますます増えるなかでは、ITを活用した情報提供サービスは地域の情報を循環させる上でも地域通貨を普及させていく上でも重要性が高くなっていくことは間違いありません。

 

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『地域通貨で実現する 地方創生』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

フェリカポケットマーケティング 代表取締役社長

1984年、大手IT企業入社。8年間の欧州駐在を経て2001年ICカードフェリカ事業の国内・海外営業の責任者に。交通や電子マネー、社員証など事業は軌道に乗っていたものの「交通や電子マネーではなく、衰退しつつある地域経済のために活かすことはできないか」と考えるように。地域活性のためには、大企業だけでなく、中小企業や個人店舗もICカードの利便性を享受できるような仕組みが必要とし、2008年1月フェリカポケットマーケティング株式会社を設立、社長に就任。現在でも全国各地を飛び回り、地元の方々との直接のコミュニケーションを第一として、現場主義を貫きながら「地域を元気にする」仕組み作りに奔走している。

著者紹介

連載地域内でお金が回る仕組み「地域通貨」の活用法

地域通貨で実現する 地方創生

地域通貨で実現する 地方創生

納村 哲二

幻冬舎メディアコンサルティング

本書は、地域活性化に興味のある人や自治体・企業・団体に向けて、地域活性化のための1つの有効な手段と思われる「地域通貨」を軸にした、事例紹介を含めた参考書・指南書です。 地域活性化は都市・地方の双方にとって喫緊の課…

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