ベトナム不動産の具体的な購入手順と留意点

今回は、ベトナム不動産の具体的な購入手順と留意点について見ていきます。※本連載は、株式会社エスパシオコンサルタント代表取締役・有馬壽志氏の著書、『ベトナム不動産投資』(あっぷる出版社)の中から一部を抜粋し、ベトナムの不動産投資で成功するためのノウハウを紹介します。

ベトナム不動産の購入は即断即決が重要

ベトナムで不動産を購入するためには、現地に行くことになります。手に入れたい物件がみつかれば、デポジット(保証金、預かり金)を払うことになります。これは、口約束や仮契約などをし、のちになって契約を反古にしたり、消息不明になった時などに備えての保証金です。

 

一般には、5000万ドンから1億ドン(25万円から50万円ぐらい)支払うシステムになっています。デポジットの支払いは、ビザカードやマスターカードでの支払いも可能です。契約を破棄した時には、このデポジット代金は戻ってきません。

 

すでに説明したように、気に入った物件を入手するためには即決が求められます。しかも、払ったら戻ってこないデポジットを支払わなければなりません。かといって、購入を躊躇していると物件はすぐになくなります。そして物件の価格はみるみるうちに上がっていきます。ベトナムでの不動産投資には、確かな目と正しい判断が求められます。そして、本気で買う気持ちが必要です。

 

つぎに、デポジット契約から7日以内に、10%から20%の頭金の支払いが求められます。頭金を払うまでの猶予はわずか7日間。一度日本に帰り、お金を用意して、再びベトナムに来るという猶予はありません。

 

日本からベトナムに頭金を送金する場合も8〜10日かかります。つまり不動産を購入するつもりでベトナムに来るのなら、頭金までの現金をあらかじめ用意しておく必要があります。この7日間の猶予期間を過ぎてしまうと、契約不履行とみなされて、購入資格を剥奪されてしまいます。もちろん、デポジットは戻ってきません。大体300万円くらいは現金が必要になります。

 

ただし、もし購入しなかった場合は、ベトナムに銀行口座を作り、持参したキャッシュを預けておくこともできます。そうすると、再チャレンジするときに現金を持っていく必要がなくなります。ただし注意したいのは、申告をしないでベトナム国内に持ち込んだ現金は、1回につき5000ドルまでしか持ち出すことができません。

外国人もローンを組めるが、借入金利は約10%

ベトナムでは、2015年6月まで外国人がローンを組むことはできませんでした。したがって、不動産の売買は、すべてベトナム通貨での現金取引になります。ですから、ベトナムに来る段階で、300万円から400万円をキャッシュで持参することが必要です。2015年7月からは法改正により外国人もローンを組めるようにはなるのですが、借入金利が約10%もするので、利用しないほうがいいと思います。

 

先に説明したように、ベトナムでの銀行口座は簡単に作れます。しかも利率も高いので、投資的役割も果たせます。ベトナムの下見に来た折や、1回目に投資できなかった場合には、ベトナムドンでの貯金口座を開設しておくことをおすすめします。そうすれば、不動産を購入する時に、慌てることなく対応できます。

 

頭金を払い、売買契約が成立すると、本契約のために、およそ2週間後には再びベトナムに行く必要があります。約40ページに及ぶベトナム語と英語の書類、全ページにサインをするためです。この時のサインは、全てパスポートに記載されているサインと同じであることが求められます。アルファベットでサインしている人はまだ楽ですが、漢字でサインしている人の場合には結構大変な作業です。

 

ちなみに、この契約書のベトナム語と英語の内容とに齟齬があることがあります。ベトナム語の内容を完全に英訳することが困難だからです。この場合には、ベトナム語の内容が優先されます。

 

この本契約書にサインをすることで、不動産は初めて自分のものになります。ただし、ベトナムの新築不動産はプレビルト制なので、建物ができるまで月に換算すると物件価格の約5%ほどの代金を2〜3カ月ごとに払う、分割払いが一般的です。支払いながら完成まで1〜2年間待つことになります。一括払いも可能で、その場合は物件価格の7〜15%が割引されます。

ビザなしでは所有権を取得できない点に注意

ベトナムでの不動産購入は、2015年7月から外国人に解禁されますが、これは、永久に不動産を所有できるというわけではありません。入国許可のあるビザを取得した者に、50年間の所有権を与える、というものです。ビザがないと所有権の取得はできません

※2015年5月11日のTheDailyNNAベトナム版によれば、外国人や外国組織による住宅の所有権及び土地使用権の有効期限が50年から100年に延長される見通しという記事が発表されている。

 

ただし50年後に延長、相続、贈与が可能です。売買はいつでもできます。外国人に売却した場合は売った時点から50年間の所有権が認められます。ベトナム人に売却した場合は長期所有権となります。ベトナムには永久所有権という考え方はありません。なぜなら社会主義国なので、土地はすべて政府のものだからです。

 

また、建物が完成し、鍵の引き渡しが終わった段階から管理費が発生します。不動産登記も必要になります。順序としては、建物完成通知が来ると修繕積立金を支払います。物件価格の2%が一般的です。その後内覧、鍵の引き渡しとなります。

 

鍵の引き渡し後、管理費、水道光熱費を支払います。引き渡しまでの分は現金支払い、それ以降は銀行引き落としにしておくと支払いはスムーズにいきます。管理費は物件により異なりますが0.5〜0.8USD/㎡くらいです。

 

不動産登記についてはデベロッパーが行います。必要書類を提出して登記完了を待つだけです。登記手数料は物件価格の0.5%です。

 

これとは別にデベロッパーに登記完了後に物件価格の1〜2%を支払いますが、このお金は当初提示された物件価格に含まれています。つまり登記が終了して物件代金の全額支払いが完了する仕組みです。マレーシアやカンボジアでは全額支払わないと登記に進むことができません。ベトナムは他国に比べると良心的だと思います。

 

ちなみに、エスパシオベトナムで物件サポートをさせていただいたお客様には、無料で銀行口座開設サポートを行っています。物件契約の翌日午前中に口座を開設して、帰国すれば、2回目以降は日本からベトナムの自分の口座にお金を振り込むだけで準備完了です。

本連載は、2015年6月20日刊行の書籍『ベトナム不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

株式会社エスパシオコンサルタント 代表取締役

香川県生まれ。株式会社日立ビルシステムを経て、1981年リクルート入社。
人材総合サービス部門の広告事業部に10年間在籍し、採用・教育の企業サポートで約1000社を担当。
1991年12月、企業の成長をお手伝いする経営コンサルタントとして株式会社エスパシオコンサルタントを設立。
2000年より環境分野に進出し、特に流通小売業の生活環境をテーマに商業環境コンサルタントとして活躍している。担当した大型店舗は全国2650店を超える。
2011年よりベトナムに進出し、カフェレストラン経営を経て、不動産会社エスパシオベトナムを設立。
著書に『ベトナム不動産投資』(2015年 あっぷる出版)、『営業ストレス脱出マニュアル』(2010年 アーク出版)がある。

著者紹介

連載ベトナム不動産投資の基礎知識

ベトナム不動産投資

ベトナム不動産投資

有馬 壽志

あっぷる出版

将来を見越している日本人が、国内における資産の蓄積に不安を感じはじめ、海外での資産蓄積に動き出しています。日本政府も、これ以上日本のお金が海外に流出するのを防ぐため、本腰で対策に乗り出しました。逆に考えると、そ…

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