本連載は、久野綾子税理士事務所の代表税理士・久野綾子氏の著書『相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう』(アチーブメント出版)の中から一部を抜粋し、贈与税の基本的な知識をQ&A形式で紹介します。

常識の範囲なら、お中元・お歳暮に贈与税はかからない

Q:お中元・歳暮をもらった場合、贈与税はかかりますか

A:贈与税はかかりませんただし、常識範囲内ります

 

日本の文化、お中元・お歳暮。最近はなじみの薄い世代も出てきていますが、日頃の感謝を込めて贈る、心温まる風習であることには変わりありません。

 

これらの風習に関しても「あげます」「いただきます」の贈与が成立していますが、実は「個人から受けるお中元、お歳暮などの金品で、社会通念上相当と認められるもの」には贈与税がかからないことになっています。お中元、お歳暮は、贈与税の非課税財産に該当しますので、贈与税はかかりません。

 

ただし、お中元、お歳暮という名義で100万円渡したよ、車を渡したよ、というのは、「社会通念」つまり常識から外れますから、贈与税の対象になります。

日常生活を送るために必要な仕送りは「非課税」

Q:親からの仕送りを下宿代使うと、贈与税はかかりますか

A:贈与税はかかりません

 

「扶養義務者からもらった生活費のうち、通常必要と認められるもの」には贈与税がかからないことになっています。下宿代は、その人が通常の日常生活を送るために必要な生活費に当てはまるため、贈与税はかかりません。なお、入学金や習い事代などの教育費と同じ扱いですが、生活費として必要な分だけそのつど渡すことが大切です。

 

通常、相続開始前3年以内の贈与は相続税の対象になりますが、もともと贈与税がかからない財産の贈与は贈与税はもちろん、相続税の対象にもなりません。親だけではなく祖父母も扶養義務者になりますので、祖父母からの仕送りは、法律で認められた正当な相続対策です。

本連載は、2014年11月29日刊行の書籍『相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう

相続貧乏になりたくなければ親子でこまめに贈与しましょう

久野 綾子

アチーブメント出版

2015年1月1日から始まる相続税法改正で、全国で急増する「相続貧乏」。しかし、こまめに正しい贈与を行うことで「相続貧乏」から「相続金持ち」に変わることができます。 贈与税は、年間110万円を超える金額をもらうとかかる…

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