夢の実現に必要な費用を整理する「旅立ちの人生計画シート」

今回は、夢の実現に必要な費用を整理する「旅立ちの人生計画シート」の書き方について見ていきます。※本連載は、NPO法人ライフデザインセンターの編著、『旅立ちのデザイン帖―あなたらしい“終活"のガイドブック』(亜紀書房)の中から一部を抜粋し、「終活」に向けた各種の生前準備についてご紹介します。

自分の夢を実現するためのガイドライン

今回は「旅立ちの人生計画シート」を見ていきましょう。これはあなたのライフプランを実現しようとしたときに、どのくらいの費用がかかるのかを時系列で確認するためのシートです。これを書くことによって、自分のこれからの夢や希望をどのように実現していったらいいのか、具体的に考えることができます。

 

このシートを書いてみて、「とても費用が足りない!」と不安になることもあるでしょう。しかし、必ずしも「足りないからすべての夢をあきらめなければいけない」というわけではありません。むしろこのシートは、自分の夢を実現するためのガイドラインになります。自分のライフプランの障がいはなにか、ということがあらかじめわかっていれば、どうすればその一部でも実現できるのか、という計画がより立てやすくなり、工夫のしがいも生まれます。

 

〈旅立ちの人生計画シートの記入方法〉

それでは、作例とともに書き方をご説明しましょう。この表には、現在(今年)から自分が死を迎えるだろう年まで(あくまで予測です)を時系列で縦軸に記入して、横軸に「家族」「今後の人生計画」「収入」「支出」「差引過不足」(収入と支出を差し引きして、足りない分の金額)を記載します。

 

【図表 旅立ちの人生計画シート】

 

「今後の人生計画」欄には、年齢ごとに自分がやりたいこと、するべきことなどの予定を書き込みましょう。

 

次に「収入」「支出」欄の書き方です。収入は、まず年金とその他収入(たとえば賃金や保険金など)に分けて記載し、次に支出は日常的に使う生活費とその他支出(旅行、孫の教育資金、家の改修など生活費に含めない支出)に分けます。その他支出を考えるときに家族構成は欠かせません。「家族」欄に記載した同居のご家族にかかわる支出だけでなく、たとえば、別居の親の介護や孫の教育費などが影響することもあるからです。

 

続いて一番右の列にある「差引過不足」欄の書き方をご説明します。この欄には、収入と支出を差し引きして足りない分、もしくはあまる分のお金(差引過不足)を記入します(作例で「▲」となっているのは差し引きしてマイナスになった足りないお金という意味です)。そして、その足りない分のお金を、さきほどの財産の明細に記された貯蓄合計と差し引きすれば、自分がどれくらい貯金を取り崩したり、株式を売ってお金を得たりする必要があるのかがわかります。具体的には表の一番右下の「差額」欄の金額がプラスになれば、あなたの生活には余裕があるということになります。

不足資金を予測し、どう補っていくかを考える

作例でとりあげたケースでは、妻が八九歳を迎える二〇三六年までの収入合計が六二八四万円となり、支出合計が七五二八万円となったことを示しています。その結果、年度別の過不足の合計は一二四四万円の赤字(収入不足)になります。しかし貯蓄合計が一五〇〇万円あるので、差し引き二五六万円の余裕があることを示しています。

 

妻が有料老人ホームに入居したあとの自宅の活用(貸し出しや売却など)も考えると、子どもや孫との楽しみ、自分の趣味などにもう少しお金がかけられるということです。しかし貯蓄を入れ込んでもマイナスになってしまう場合は、旅行やイベントにかかる費用を節約するとか、生活費を抑える、あるいは新たに働いたり、ご家族の支援を得たり、などの方法で収入を増やす必要があるということがわかります。

 

一般的には、年度別の差引過不足がプラスになるのは(現役で働いている)六〇歳くらいまでで、年金収入だけだとマイナスになることが多いです。この不足資金をあらかじめ予測し、それをどう補っていくか考えることが、旅立ちの人生計画シートの核心となります。

 

このシートは一度つくって終わりというものではありません。人生は計画どおりにいかないことがたくさん起こります。しかし、自分の人生に予想外の変化が起こったときにも、このシートを頼りにすれば、自分の生活のどこをどう変えていけばいいのかがわかります。

 

物価の上昇で生活費も変わっていきますし、年金もこれからまた変わっていくでしょう。そのときは、つくったシートをもとに変化のあった部分を改定していきましょう。最初から全部つくり直すわけではないので、変化のあったところだけ直すのはずっと簡単です。パソコンなどにデータを保存しておけばより便利です。

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連載今からはじめる“終活”ガイド

2001年6月に長野県で発足したNPO法人。自分らしく生きようとする人々に支援を行うことを目的として、主に高齢期の人々を対象とした活動を続ける。情報提供やセミナーおよび講演会の開催、各種の相談、講師派遣、成年後見人に関する事業や居宅介護支援事業などを行っている。弁護士、医師、司法書士、税理士、社会保険労務士、住職、牧師、ファイナンシャルプランナー、ケアマネージャーなどの専門家が理事として関わっている。2002年には「エンディングノート」の先駆けとして、『旅立ちデザインノート』『旅立ちアレンジ』を発行。現在、長野県長野市と松本市に事務所がある。代表理事は久島和子氏(写真)、小川和子氏、鈴木秀一氏の3名。

著者紹介

旅立ちのデザイン帖 あなたらしい“終活"のガイドブック

旅立ちのデザイン帖 あなたらしい“終活"のガイドブック

NPO法人 ライフデザインセンター

亜紀書房

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