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連載お金持ちが実践している「資産を残す」方法【第5回】

「相続」との違いを理解して活用したい「生前贈与」の基本

生前贈与

「相続」との違いを理解して活用したい「生前贈与」の基本

今回からは、相続対策について見ていきます。まずは生前贈与についてお伝えします。※本連載は、ランドマーク税理士法人の代表税理士・清田幸弘氏の著書『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』(あさ出版)の中から一部を抜粋し、お金持ちの人にこそ知ってほしい「資産を残す方法」をいくつか紹介します。

収入は、たった150万円。けれど相続税は億単位

私の生家は、横浜の農家です。私の両親は、朝から晩まで農作業に励んでいて、私自身もよく畑に出ていました。

 

冬の寒い日に、農作物に霜が降りないかと心配しては、畑を走った経験があります。除夜の鐘を聞きながら、菜を束ねて年越しをしたこともありました。家族総出で一所懸命働いても、都市部の農家はそれほど儲からない。それが私の実感です。

 

農作物は市場の状況次第で、驚くほど安価になります。汗水たらして働いたのに、一家の年収が、わずか「150万円」という、泣くに泣けない思いをしたこともありました。

 

収入は少なくても、農家には「不動産(土地)」という財産があります。「土地があるから安泰だ」。私も子どものころは、そう思っていました。

 

ですが、土地には税金がかかります。とくに「相続」となれば、高額な税金を取られる。「収入は少なくても、億単位の相続税がかかる」という現実を思い知ったのです。私が税理士にならず農業を続けていたら、今なお、税金や相続の問題を抱えていたでしょう。

贈与は「する側」と「される側」の間での合意が前提

では、相続税で困らないためには、どのような対策を講じればいいのでしょうか?「相続税対策」と呼ばれるものには、おもに、次の「6つ」があります。

 

【相続税対策】

①生前贈与

②養子縁組

③土地の活用

④生命保険

⑤寄付

⑥遺言

 

①生前贈与

「生前贈与」とは、自分が亡くなる前(生前)に、財産を与えること(贈与)です。生前贈与は、被相続人(財産を渡す側)の死亡後に財産を譲り受ける「通常相続」とは区別されています。

 

「贈与」とは、贈与する側とされる側の間で、「あげます」「もらいます」という合意が成立していることが前提です。

 

「通帳の名義は子どもだが、実際には親が保管している」「孫に贈与したことにして、実際の現金は祖父の金庫にしまわれている」といった場合は、「贈与」には該当しません。

贈与税と相続税、税率が高いのはどっち?

生前贈与をして財産が移動をすると、それにともなって、受け取った側に「贈与税」がかかります。贈与税は相続税よりも税額が高いため、全財産を一度に生前贈与をしてしまうと、相続税よりも高い贈与税を支払わなければいけなくなります。

 

そのため、贈与税が非課税となる制度や、贈与の税率が軽減される制度を利用するのが一般的です。

 

【相続と贈与の違い】

◎相続

•自分で相続税を払う時期を決められない。

•相続が発生した時点(その人が亡くなった時点)で所有する全財産に対して課税される(現預金の税金を先に払い、土地の税金は後回しにする、といったことができない)。

•基本的には、法定相続人にしか財産を引き継ぐことができない(配偶者と子ども、配偶者と親、配偶者と兄弟姉妹にしか財産を残せない。遺言書があれば別)。

 

◎贈与

•したいときに、いつでも、何度でもできる。

•自分の意思と関係なく税金が発生することはない。

•全財産を一度に贈与する必要がない。

•贈与税がかかるのは、贈与した財産に対してだけ。

•「どんな財産を、いくら贈与したいのか」を自分で決められる。

•法定相続人に限らず、何人に贈与してもよい。

本連載は、2016年10月3日刊行の書籍『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

清田 幸弘

ランドマーク税理士法人 代表税理士 

神奈川県横浜市の農家に生まれる。明治大学卒業後、地元農協に9年間勤務。金融・経営相談業務を行ったのち、税理士に転身。1997年に清田幸弘税理士事務所を設立、その後、ランドマーク税理士法人に組織変更。自身の生まれと農協勤務経験を活かした相続コンサルティングには定評があり、過去に手がけた相続税申告件数2,000件超は全国でもトップクラス。また、資産家、金融機関、不動産会社、税理士向けにセミナー講師を年間230件以上、手がけている。著書は『そろそろ相続のこと、本気で考えないとマズイですよ!』(あさ出版)など多数。

ランドマーク税理士法人グループ(http://www.zeirisi.co.jp/)は、東京・丸の内の無料相談窓口「丸の内相続プラザ」、横浜ランドマークタワーをはじめ、首都圏に10の本支店を展開。申告件数はもちろん支店数、国税OBを含む社員数(資格者多数)、発行書籍数、実施セミナー数の多さは、他に例を見ない。また、相続・事業承継案件に強く、税務調査が少ない(全国平均22%に対して1%)ことでも注目を集めている。

著者紹介

連載お金持ちが実践している「資産を残す」方法

お金持ちはどうやって資産を残しているのか

お金持ちはどうやって資産を残しているのか

清田 幸弘

あさ出版

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