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連載インドで円滑にビジネスをするための基礎知識【第5回】

インド人とのビジネス会議を円滑に進める方法

インドビジネス

インド人とのビジネス会議を円滑に進める方法

今回は、インド人とのビジネス会議を円滑に進める方法について説明します。※本連載は、株式会社インド・ビジネス・センター代表取締役社長・島田卓氏の著書『インドとビジネスをするための鉄則55』(アルク)から一部を抜粋し、インドでビジネスをするための様々な基礎知識をご紹介します。

インドでは「話し始めたら止まらない」人が多い!?

Q.インドでの会議に臨む際、成果を得るためには、どんなことを心掛けるといいですか?

 

A.事前にしっかりと対策を練りましょう。会議の議題とルールをまとめた文書を作成し、人数分コピーして配布することをお勧めします。

 

インドでの会議では、流暢な英語で冗舌に語りかけてくる先方に押されがちになるので、事前にしっかりと対策を練りましょう。会議の議題とルールなどをまとめた文書を作成し、人数分コピーして配布することをお勧めします。

 

議題は難しく考えず、簡潔に明確に記してください。大きなテーマと話し合うポイントなどを箇条書きにすればいいでしょう。日本式に「今日はざっくりとこんな感じで」と考えているだけでは、とても成果は期待できません。本題から話がそれて演説大会になったまま時間が経ち、肝心な点を詰められずに終わる恐れがあります。

 

議長を誰が務め、どのように議事進行するのか、議事録を誰が作成するのかも決め、文書に盛り込みます。自分が主催する会議なら本来は自らが議長ですが、信頼できる部下などに委任し、自分は話し合いに集中するのも手です。相手方が議長である場合も、こちらが望むルールを文書にして提出すると役立ちます。

 

出席者が多い場合は、1回あたりの発言時間をルールとして定めるのも有効な策です。インドの人たちはとにかく多弁で、「話し始めたら止まらず困った」との声をよく聞きます。実のある意見交換をするには、「1人1回3分」などとルールに定め、公平を期すため砂時計を使ったりすると、楽しみながらコンパクトに話をまとめようとする意識が働きます。

 

また、インドの人たちは会議中でも携帯電話に出ることが珍しくないので、「電話は原則禁止」と定めるのもいいでしょう。やむを得ない場合のみ会議室から出て受けてもかまわないが、離席している間も当人は出席中の扱いで会議を進めるというルールにしておくと安心です。

 

このように議題とルールを羅列して、さらに番号を振っておけば、逸脱しそうになったときに〝No.3,please.〞などと文書を指さして簡単に注意できます。失礼ではないかと心配するかもしれませんが、こちらが本気なのだと伝わります。相手もルールを守れない人間にはなりたくないので、了解したルールは守ろうとします。

 

初めての会議では、ベースとなる骨格づくりのつもりでルールを考え、会議を重ねる中で必要なルールに気づいたら、一つ一つ加えていくといいでしょう。補足し、練り直しを1年も続ければ、およそすべてを網羅したルール集ができ上がるはずです。

 

もちろん大変な作業ですが、用意しておくと自分自身も後任者も楽になります。

視察等では事情に通じたコンサルタントに相談する手も

英語でのやり取りについても、会議の際は「お願いリスト」を書面にして配布するのがお勧めです。〝My request〞とタイトルを付け、たとえば〝1.Speak slowly.〞〝2.Speak plain English.〞などと、要望を羅列していけばいいでしょう。誰かが早口になったら〝No.1,please.〞と紙を指して言うだけで意図が伝えられます。

 

会議のために臨時で通訳を雇った場合、言わんとすることが思うように伝わらず、かえって問題が起こりがちなので、大変でも自分自身で意思の疎通を図るよう努めます。不安が残る場合は、駐在員なら現地法人で最も事情に通じ、信頼できるスタッフを同伴すればいいでしょう。自分が舌足らずになったときにうまく補足説明してくれるはずです。出張中でも、現地法人があるなら外部の通訳より、そこのスタッフの方がいいでしょう。その際、会議の概要もメモしておくように頼んでおくと安心です。

 

視察などでも、現地の様子を見て回るだけでなく具体的に話を進めたいなら、事情に通じたコンサルタントに相談するのも一つの方法です。自分ひとりでは押し切られそうな局面でも、プロなら気後れせずに主張するので、成果が期待できます

 

初対面の人たちとの会議では、まずあいさつし、握手をして名刺交換をします。なじみがない国では顔も名前も分からなくなりやすいので、着席したら目の前の卓上に名刺を並べて順番に確認していくといいでしょう。

 

名前の後に敬称「ji(ジー)」(〜さん)を付けると、親しみを込めつつ、敬意を表した呼び方になります。男性にも女性にも使います。名前と顔を確認する際に「〇〇ji」と呼びかけると、相手も喜ぶでしょう。名前の発音が難しくても声に出してください。長い名前などの場合、「〇〇でいい」と略称を教えてくれることもあります。これはなかなか難しいことですが、それだけ効果も上がります。

 

失礼ではないかという心配も無用です。「ユー」で済まさず、名前で呼びかけた方が、ずっと良い印象が与えられ、真剣に先方とのビジネスを望んでいるのだと伝わります。名前と顔の確認を怠ると、どの人が誰だったのか、誰が何を言ったのか、すべてが混乱しやすいので注意してください。

 

なお、インドでは会議の際、クッキーのような甘いお菓子と紅茶、コーヒーがよく出されます。何度も勧められたら、食べなくともいいので手元に取るのがマナーです。

島田 卓

株式会社インド・ビジネス・センター 代表取締役社長

1972年、明治大学商学部を卒業し、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。本店営業部、ロサンジェルス支店、事務管理部、大阪支店などを経て、91年インド・ニューデリー支店次長に着任、約4年間インドに駐在。97年同行を退職、同年4月に株式会社インド・ビジネス・センターを設立し、現職に。東京商工会議所平成27年度中小企業国際展開アドバイザー。著書多数。

著者紹介

連載インドで円滑にビジネスをするための基礎知識

インドとビジネスをするための鉄則55

インドとビジネスをするための鉄則55

島田 卓

アルク

これまでインドとまったく接点がなかったのに、会社から突然インド担当を命じられた! そんなビジネスパーソンが知っておきたい、インド社会の基礎知識、仕事を着実にこなすコツ、マナーやNG行動、インドで生活するための情報な…

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