調査済みの土地に優先順位をつける判断基準とは?

前回は、周辺施設の見極めについて解説しました。今回は評価を済ませた土地に対し、どのように優先順位をつけるべきか、その判断基準について説明します。

優先順位をつける判断基準は大きく分けて2つ

現地調査の結果が出たら、それに基づいて財産に優先順位をつける作業を行います。その判断基準となるものは2つあります。


1つはお客様自身の考えであり、もう1つは専門家から見た資産価値としての判断です。


お客様には「納税資金が足りないので、どこかの土地を処分するしかない。だけど、どうしてもこの土地だけは残したい」という、特定の土地への思い入れがあることがほとんどです。どの土地でもいいからお金になればいい、という方はまずいません。


一方、専門家の側には「そうはおっしゃるけれども、その残したい土地には大きな問題がありますよ。処分するとしたら、この土地から処分すべきなのでは?」という客観的な意見があります。


ご自身の気持ちと、第三者的な立場での判断。この2つをすり合わせるといった形で資産に優先順位をつけていくことが大切です。そこで役に立つのが棚卸した財産のランク分けです。これを行うことで自身の希望と客観的な評価の折り合いがつけやすくなるのです。


筆者たちはこのような場合、以下の3つのランクに分類するという手法を取っています。

 

Aランク・・・絶対に手放したくない(残したい)不動産

Bランク・・・有効活用が可能な不動産

Cランク・・・物納あるいは売却してもよい、処分・整理すべき不動産

 

さて、では土地をランク分けするためにどのような観点から選別すればよいのでしょうか。順番にご説明しましょう。

Aランク・・・絶対に残したい不動産

自宅および収益性の高い不動産がここに該当します。

 

自宅に関しては改めてご説明するまでもないでしょう。亡くなった人と同居していた家族がいるのであれば、その人たちの生活拠点としての自宅は残すのが原則です。また、その家が先祖代々続いているような場合は、自宅がその家族にとってランドマーク的な場所として考えられていることも多いかと思います。

 

たとえば、正月に一族が集まる場所であったり、何かの行事を行う場所であったりする場合は、無理に売却することなく、残す方向で考え、財産の整理をするとよいでしょう。

 

また、収益性の高い物件とは、所有している物件がアパートやマンションであれば、空き部屋が出るたびに入居者がすぐに決まり、安定的な収益をもたらしてくれるものということになります。

Bランク・・・有効活用が可能な不動産

現時点ではさほど収益には結びついていないけれども、立地条件や将来性などを勘案した場合、活用の仕方次第では収益が上げられそうな不動産が該当します。


これらについては予測が難しいのですが、都市計画を調べることでわかる場合もあります。たとえばその土地の近くを将来的に道路が通る予定があるとしたら、判断の手がかりにすることができます。

 

大きな道路であまりに交通量が多いようだと、居住用としてはよくないということになりますが、大きなスーパーマーケットやショッピングモール、ドラッグストアなどの大型施設ができるような場所だと将来性が見込める土地と言えます。

 

筆者たちはお客様から土地の調査依頼をいただくと、「この土地の周辺を道路が通る予定はありませんか?」「建物の規制はどうなっていますか?」というふうに、役所を訪ねて全部調べるようにしています。その結果、将来的に収益が見込めそうな土地は残していくことを、お客様にはおすすめしています。

 

Cランクについては、次回詳しく見ていきましょう。

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澁谷 一夫

幻冬舎メディアコンサルティング

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