前回は、医療保険の保険金給付に関する注意点について説明しました。今回は、医療保険で高額な「先進医療」の治療費をカバーできるかどうかを見ていきます。

先進医療の多くは健康保険の対象外

医療を受けるにあたって本当に心配なのは、実は入院や一般的な手術のコストではありません。

 

前回の特約の話の中でも出てきましたが、患者が選択できる医療の中には、一部の先進医療などのように、健康保険の対象外で、費用を自己負担でまかなわなければならないものもあります。

 

3割負担が10割負担になるわけですから、費用は莫大な金額に及びます。これを貯蓄でまかなうのは、かなり難しいかもしれません。いざというときに、そういった先進医療しか解決策がなく、お金がないために治療を受けられなかった――では、悲惨すぎます。

 

特殊な医療を受ける確率は、極めて低いものです。しかし、こればかりは「絶対いらないですよ」とは誰にもいえません。

 

【図表 先進医療の具体例】


出典:厚生労働省「平成23年度先進医療実績報告」より算出
出典:厚生労働省「平成23年度先進医療実績報告」より算出

先進医療特約は年間100円程度でつけられる

先進医療だけに絞った保険はないので、対策を講じたければ、普通の医療保険や共済に先進医療特約をつけることになります。先進医療特約目的で最低限の共済(保険料の月額が1000~2000円くらい)に加入し、なるべく保険料を抑えているような人もいます。

 

先進医療特約自体は、どの保険会社でも年間ほんの100円くらいでつけられます。これほど安く抑えられているのは、先進医療を受ける事態に陥る可能性が低いからです。可能性の高いことに備える場合は、もっと保険料というのは高くなるものです。

 

使う可能性は低いですが、お守り(あるいは精神安定剤)代わりに持っておくのであれば、悪くないかもしれません。

本連載は、2014年8月30日刊行の書籍『30歳からはじめる一生お金に困らない蓄財術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書は情報の提供および学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資の成功を保証するものではなく、投資の際は必ずご自身の責任と判断で行ってください。本書の内容に関して運用した結果については、著者および幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。本書に記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時のものであり、今後変更されることがあります。

30歳からはじめる 一生お金に困らない蓄財術

30歳からはじめる 一生お金に困らない蓄財術

工藤 将太郎

幻冬舎メディアコンサルティング

社会保障制度の財源が危ぶまれ、賃金格差が広がる今の日本にあって、これから結婚・子育て・マイホームの購入・老後を迎えようとする世代には将来のお金に対する不安が広がっています。 将来のお金が不安な時、たいていの人は…

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