土地の売却代金の「使い道」をどうするか?

前回は、価格が下がり続ける土地をいかに処分し、資産を守るかということについて説明しました。今回は、土地を売却したとの現金に対し、どのように資産として生かしていくかについて解説します。

今ほど高金利の時代はない!?

不動産を売却した場合に問題となるのは、「その売却代金をどうするのか」です。むろん、贅沢三昧をお勧めするつもりは毛頭ありません。

 

一番わかりやすいのは預金として置いておくことです。これには「ゼロ水準の金利では預金はつまらない」とお考えの向きもあるでしょう。しかし元銀行員であった筆者は、「今ほど高金利の時代はない」と考えています。

 

確かに昔の定期預金等の金利は4〜5%はあったでしょう。しかし、当時はインフレ時代で物価はそれ以上の6〜7%程度は上がっていました。つまり、実質的に預金は目減りしていたわけです。しかし、今日は物価や地価にみられるようにデフレの時代です。つまりゼロ金利とはいえ、実質的には金利が付されているようなものです。少なくとも昔のように目減りしているわけではありません。おまけに預金には固定資産税もありません。

 

何より「所有資産のうちのある程度は金融資産として持つべき」ということは、本連載の基本的な提案に位置づけています(ただし、くれぐれも銀行や証券マンの口車に乗るなどにより、下手に株式や投資信託に投入するのはやめておかれることをお勧めします)。

 

そもそも納税資金や遺産分割資金が遺産である金融資産でまかなえれば、どんなにか楽な相続を迎えられるでしょう。また、後述する各種の具体的な相続税対策には、かなりの軍資金が必要となります。贈与をするにしても、アパートを建てる(借入金でできないことはありませんが)にしても、土地測量等の各種の費用をあらかじめ払うにしても、先立つものがなければやりようがありません。

利回りのいい中古物件なら投資も可

少し高等戦術となりますが、都心近郊の利回りの高い中古の収益物件(アパート等)を購入するというのは、有力な手法となります。これであれば、いわば不動産の買い換えにすぎません。これは毎年けっこうな収益をもたらす上に、地価の下落リスクも郊外よりずっと少なめとなります(管理は専門家に任せれば十分です)。

 

また利回りさえ確保されていれば、こうした収益物件はかなりの流通性・換金性もあります。ついでに言えば、預金よりもかなり相続税評価は低くなりますから、この購入自体で相応の相続税対策にもなります。

 

ただし理屈はいいことずくめですが、変な物件をつかまされる可能性もあります。この手法は信頼できる不動産事業者をうまく見つけ出すことが絶対条件です。この点に自信が持てないのであれば、手を出さないほうが無難でしょう。

 

いずれにしても、今や必要のない土地を漠然と保有する時代ではない、という点を強調しておきたいと思います。

本連載は、2014年2月27日刊行の書籍『相続税を減らす不動産相続の極意』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載計画的に相続税を減らす「不動産の整理」術

森田税務会計事務所 代表

税理士・不動産鑑定士。
昭和23年埼玉県生まれ。昭和47年東京教育大学卒業。同年三井信託銀行入社。16年間の在籍中10年間にわたって不動産業務を担当。その後、同社を昭和63年退社。同年森田税務会計事務所を開設する。資産税(特に不動産の評価・分割)を得意分野とし、二十数年にわたり数多くの相続税対策、申告を手掛ける。主な著書に『はじめての不動産実務入門』(近代セールス社)、『新・間違いだらけの土地評価』(週刊住宅新聞社)、『公示価格の破綻│驚くべき鑑定評価の実態』(水曜社)、『新・嘆きの「固定資産税」物語』『新・怒りの「路線価」物語』(ともにダイヤモンド社)、『相続力』(BKC)等がある。

著者紹介

相続税を減らす不動産相続の極意

相続税を減らす不動産相続の極意

森田 義男

幻冬舎メディアコンサルティング

相続税対策の成否は「土地の相続税評価をいかに行うか」にかかっています。しかし、専門家であるはずの税理士や金融機関の担当者等が、まったくと言っていいほど不動産を知らない状況にあるとしたら…。 本書では二十数年にわ…

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