今回は、経営者へのプレッシャーとなる「外国人株主」の存在などについて見ていきます。※本連載は、コンサルタントとして活躍する出口知史氏の著書、『東大生が実際に学んでいる戦略思考の授業』(徳間書店)の中から一部を抜粋し、企業の経営戦略に潜む落とし穴を見ていきます。

外国から「次の社長」がやってくる!

法的には経営者(取締役)は、株主総会において過半数の株主に賛成されないと選任されません。

 

経営者にとって株主は、それまで銀行や取引先だったのに、突然知らない外国人(外国法人に所属する日本人であることも多々ありますが)が登場することによって、利益の持続的増加をはっきりと求められ、経営者には緊張感やプレッシャーが高まることになります。

外国人社長によって「会社のカラー」が一変することも

非上場の中小企業においてはいきなり外国人に株主が代わることは少ないかもしれませんが、一方で、「事業承継」という問題がよく起こるようになりました。

 

それまでは同族経営であったり、オーナーはよく知った仲の人だったりした会社が、オーナーが高齢になったため、株を引き渡せる親族がいなかった場合に、第三者の会社に株を買い取ってもらったりするような場合です。

 

そうなると、会社のカルチャーなんて全然知らない人がいきなりやってきますので、緩いカルチャーだった会社が突然、緊張感あふれる会社になることを強いられることもあります。

 

その他の資金の出し手としては、ベンチャー企業であればベンチャーキャピタルなどがあり、業績不振の企業であれば事業再生を得意とする投資ファンドなどがあります。こうしたプレーヤーは銀行と比較すると短期での業績改善を求めてきますので、いずれにせよ経営者の受けるプレッシャーは大きくなります。

 

外国人社長の選任で利益の持続的増加が求められ、緊張感が高まることも。日産自動車のカルロス・ゴーンCEO。
外国人社長の選任で利益の持続的増加が求められ、緊張感が高まることも。日産自動車のカルロス・ゴーンCEO。

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