身の周りに溢れている「活性酸素を発生させる」要因

前回は、活性酸素が「骨」に与える影響を説明しました。今回は、私たちの身の周りに溢れている活性酸素を発生させる要因を見ていきます。

ストレス、喫煙、食品添加物・・・

私たちの身の周りには、活性酸素を増やす物質が溢れています。もともと生体を防御するために発生するものですから、呼吸によって取り入れた酸素が体内で変化するだけでなく、体内に入って「異物」と判断されるようなものでも活性酸素は発生し、そういうものが増えれば当然、活性酸素も増加します。

 

では、活性酸素を増やすものには、どのようなものがあるのか見ていきましょう。

 

●ストレス

外的刺激はすべてストレスですから体は防御反応として、筋肉を収縮させて緊張状態となります。このとき、ストレスホルモンの一種であるコルチゾールが分泌され、血管が収縮して血液の少ない虚血状態となります。その後、緊張が解けると血流は良くなりますが、このときに大量の活性酸素を発生させます。

 

●喫煙

喫煙は肺がんなどの疾患を引き起こしますが、がん細胞発生の原因である活性酸素を増やす要因となります。タバコの煙を吸うと、白血球は煙に含まれる有害物質を除去しようとして多量の活性酸素をつくります。また、タバコの煙にも活性酸素の一つである過酸化水素が含まれています。タバコは、1本で100兆個もの活性酸素を発生させるといわれています。

 

●食品添加物

ハムやソーセージ、カップ麺といった加工食品、菓子類、清涼飲料水などには保存料や着色料のような添加物、いわゆる合成化学物質が使用されていることがあります。これらの化学物質は活性酸素を発生させるだけではなく、体内に入ると蓄積しやすく取り除くのが難しいとされています。

 

●過酸化脂質の多い食品

古くなったインスタント食品、スナック菓子、時間が経って古くなった天ぷら油などは、酸化している可能性があり、活性酸素の発生源となります。

 

また、食事から摂取した脂質は腸内で分解されますが、分解されずに残った分は肝臓で解毒されます。その代謝過程で活性酸素が発生します。

過度な運動、運動不足によっても活性酸素は増加

●激しい運動

適度な運動は健康にも有効ですが、激しい運動は酸素の消費量が増える分、活性酸素の発生量も増加します。

 

逆に、運動不足でも体内の抗酸化酵素の働きが低下し、活性酸素が増えていきます。

 

●紫外線

フロンガスによるオゾン層の破壊が深刻化しています。これは、シミやシワばかりか皮膚がんの原因となる危険性さえあります。

 

私たちの顔や手に太陽の紫外線があたると、その刺激で皮膚組織に大量の活性酸素(一重項酸素)が発生します。そして、この活性酸素がメラニン色素の形成を促進し、組織にダメージを与え、シミやソバカス、シワの原因となります。

 

紫外線の刺激は目にも絶えずダメージを与えています。水晶体にはSODなどの酵素が存在しており、活性酸素の消去に当たっていますが、中高年になると水晶体のSODも低下し、活性酸素の発生に対して消去しきれなくなります。

 

長年のダメージの蓄積で水晶体が白く濁り、極端に視力が低下するのが「白内障」です。

 

●放射線

レントゲン撮影や放射線治療で放射線を浴びると、活性酸素が発生して遺伝子にも影響を与えることがあります。

 

●環境汚染

ダイオキシンや環境ホルモンなど、さまざまな有害物質の発生が、食物の汚染に影響を与えるだけではなく、地球の生態系にも悪影響を与えています。また、自動車の排出ガスによる大気汚染も活性酸素を増やしています。

 

大気汚染の原因となる窒素酸化物は強力な酸化物質として知られており、活性酸素を増加させる原因となります。

 

こんなにも私たちの周りには、活性酸素を発生させる要因が多くあります。もはや体内に備わっているSODなどの抗酸化酵素だけでは、処理しきれない状況に陥っています。

 

私たちの努力によって改善する余地のある要因もありますが、呼吸を止めるのは不可能ですし、生きている限り他人と関わっていかなければなりませんので精神的ストレスも避けられません。

 

したがって、活性酸素をゼロにすることはできませんので、老化はもちろん酸化ストレスから逃れることはできないのです。

本連載は、2015年6月10日刊行の書籍『「病気知らず」の体をつくるビール健康法』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

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特定医療法人大坪会「小石川東京病院」院長 医学博士

1988年日本大学医学部卒業。専門は脊椎外科。医療連携・地域医療を重点的に行い、腰痛や高齢者医療についての講演も多数。平成23年より現職。高いレベルの脊椎手術と納得感のある丁寧な説明が、患者から信頼を得る。得意分野は脊椎手術全般、骨粗しょう症の治療。
海外文献にも豊富な知見をもち、イギリスで進むビールの健康効果に関する研究に注目。予防医学や健康に貢献するとして情報公開を積極的に進める。

著者紹介

「病気知らず」の体をつくる ビール健康法

「病気知らず」の体をつくる ビール健康法

大川 章裕

幻冬舎メディアコンサルティング

【ビールで病気を予防する!?】 ビールが老化や病気の原因となる「体の酸化」を防ぐ効果が高いと聞いたら驚く人は多いでしょう。しかし、ビールは古くから健康維持に用いられた歴史を持っており、近年ではその効果が科学的に…

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