前回は、生命維持に欠かせない「酸素」が体のサビの原因であることを説明しました。今回は、社会保障財政のバランスの崩れが深刻化する「2025年問題」について見ていきます。

2025年、団塊の世代が「後期高齢者」に

現在、65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍といわれています。高齢化が進む日本は、今後ますます寝たきりや認知症の人が増えることが予想され、厚労省の推計でも2025年には寝たきりや介護が必要となる高齢者が520万人に達するとされています。このままいくと日本は、長寿国であると同時に「寝たきり大国」になる可能性が非常に高いといえるでしょう。

 

2025年といえば、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる年です。これまで国を支えてきた人たちが一斉に給付を受ける側に回るため、医療や介護、福祉サービスなどの需要が高まって社会保障財政のバランスが崩れるともいわれ、「2025年問題」は深刻化しています。

 

そうなれば当然、皆さんの世代にも影響が及び、他人事ではなくなります。現在40代の人は50代に、50代の人は60代となり、今以上に持病を抱えるなどご自身の健康に不安を抱くようになる年代です。

 

そんな状況にもかかわらず、親の介護が重くのしかかり、社会的には団塊の世代を支えていかなければならないのですから、さらにストレスが高まっていることと思われます。

病院が高齢者に独占され、若者は入院できない!?

特に介護の問題は深刻になってきます。現在、高齢者の8割が病院や老人ホームなど、自宅以外の施設で看取られていますが、今後は在宅での看取りが確実に増えていきます。

 

それは、高齢者が増えたことで、どこの病院でもベッドが不足している状況にあるからです。高齢者の場合は、肺炎や骨折といった病気で入院し、それが治っても体力が低下しているために引き続き看護処置が必要となり、入院が長引くケースがほとんどです。

 

しかも、入院が長くなると刺激が少なくなりますから認知症を発症しやすくもなり、ますます退院が難しい状況に陥ります。

 

そうなると若い方々や、皆さんのような働き盛りの方々が病気になったとき、ベッドが空いていないために入院ができないという事態を招きかねません。もしも突然倒れて救急車を呼んだとしても、受け入れてくれる病院が見つからなかったらどうなるでしょう。たらい回しにされ、皆さんの命が危険にさらされることも大いにあり得ます。

本連載は、2015年6月10日刊行の書籍『「病気知らず」の体をつくるビール健康法』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

「病気知らず」の体をつくる ビール健康法

「病気知らず」の体をつくる ビール健康法

大川 章裕

幻冬舎メディアコンサルティング

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