財産の中に潜む「リスク要因」を見極める

相続のときに起こってくる問題の多くは、トラブルとなりうる危険因子に気づけないことが原因となっています。ここでは、そんなトラブルの種を排除するための方法について見ていきます。

財産の「棚卸」がトラブルを見つける第一歩

相続にまつわるトラブルの多くは、実際に相続が起こってみて初めて実感することばかりです。なぜなら、それまで取り立てて何の問題もなく、「わが家にとってそれは当たり前だったこと」が、いざ相続というときに初めて重大な問題だったと気づく場合が、意外に多くあるからなのです。


では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。その原因の第一は「トラブルそのものが見えていなかったこと」にあります。親から子へと引き継がれる財産の中に、リスク要因が潜んでいることを認識できなかった結果なのです。


予想がついていれば何かしらの対策を立てることができますが、トラブル自体を認識できていなければ、対策のしようがありません。つまり、不動産にまつわるトラブルを解消する第一歩は、「トラブルにつながりそうな危険因子を見つけること」と言えます。


そのような事態を防ぐために最初にすべきことは、所有している不動産のすべての「棚卸」をすることです。

まずは土地の評価額から不動産の選別を開始する

私たちはお客様から不動産調査のご依頼をいただくと、さまざまな調査を進めるとともに、必要に応じて測量を行い、すべての土地の評価額を出します。これを行うことで、推定税額が算出できるだけでなく、継続して持ち続けたほうがいい不動産、手放したほうがいい不動産の選別をすることができます。

 

そのようにして財産に優先順位をつけることで、それを踏まえて相続人の方たちすべてが納得する遺産分割を検討できるようにもなります。つまり、混沌としていた財産の全体像がすっきりと整理され、親から受け継いだ貴重な財産をよりよい形で子孫に残すための道筋がはっきりと見えてくるのです。

 

次回からは、財産の棚卸について具体的な方法を見ていきましょう。

本連載は、2013年11月1日刊行の書籍『相続トラブルの99%は不動産が原因』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

連載不動産の相続トラブルを未然に防ぐ方法

相続トラブルの99%は不動産が原因

相続トラブルの99%は不動産が原因

澁谷 一夫

幻冬舎メディアコンサルティング

親から受け継いだ財産を、よりよい形で次の世代に残す。それが相続本来の目的であるはず。しかし、自身の財産、とくに不動産のことをよく知らないがため、相続人の間で財産を奪い合う。また、無理な対策を行い、財産を不良資産…

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