「別会社を使った事業再生スキーム」とは?

今回は、前回までにご紹介した4つの具体的な私的整理の再生戦略の中から、④別会社を使った事業再生スキームについて見ていきます。

「第二会社方式」と呼ばれることも

④別会社を使った事業再生スキームは、多額の債務を抱えている企業の事業の全部または一部を別会社に承継した後、債務を抱えていたその企業を清算し、別会社によって事業を続けていくスキームです。

 

一般的には、「第二会社方式」と呼ばれています。この手法を利用することにより、会社経営の重荷となっている債務や不採算事業が切り出され、利益率の大きい本業に集中することが可能となります。その結果として、経営の立て直しを一気に前進させることが望めるのです。

既存事業の放出を伴う点に大きな特徴

別会社を使った事業再生スキームは、ここまで述べてきた3つの手法と異なり、既存事業の放出を伴う点に大きな特徴があるといえるでしょう。そのプロセスは、以下のようなイメージで説明されることがあります。

 

①会社の事業、組織を「グッド(よい)」と「バッド(悪い)」に分ける。

②「グッド」のところだけ切り出して新たに会社を立ち上げる。

③残った「バッド」は整理してたたむ。

 

従前の債務のほとんどは「バッド」のほうに残されており、そのままバッドとともに消滅します。つまり、別会社を使った事業再生スキームを使えば、実質的に債権放棄を受けたのと同等の効果を得ることができるのです。

本連載は、2014年10月25日刊行の書籍『引き継いだ赤字企業を別会社を使って再生する方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載引き継いだ赤字企業の「再生」術

株式会社スペース 代表取締役兼CEO

1954年東京都生まれ。三井不動産販売退職後、祖父が大正12年に中野で創業した「山一不動産」の3代目に就任。バブル崩壊とともに300億円の負債を背負いながら、事業再生に奔走する。1996年「スペース」を創設し、「山一不動産」の営業権譲渡を行うことで、先代からの基盤を守り、社員を切り捨てることなく事業再生させた。現在はこの時の自身の経験を元に、同じような悩みを抱える中小企業経営者の相談に乗り、専門家チームのメンバーとして、ボランティアでアドバイザーも務めている。中野区観光協会準備会メンバー。一般社団法人中野区観光協会監事。

著者紹介

引き継いだ赤字企業を 別会社を使って再生する方法

引き継いだ赤字企業を 別会社を使って再生する方法

高山 義章

幻冬舎MC

中小企業の資金繰り悪化の対応策として時限立法として成立した法案、「金融円滑化法」が終了した。 現在のところ、これにより目立った動きはないものの、この先いつ債権者が債権処理に動き出してもおかしくはない。そうなれば…

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