NZ不動産市場における「住み替え」のシミュレーション

これまでの連載で、ニュージーランド不動産価格は上昇し続けていることを説明しましたが、このような状況で、より価値の高い住宅への「住み替え」は可能なのでしょうか? 今回は、年齢などが違う夫婦3組を例に、住み替えが可能かどうかを検証したレポートをご紹介します。

5年以上前に住宅を購入していれば売却益が期待できる

Interest.co.nzの最新の住宅ローン返済能力に関するレポートによれば、オークランドで5年前に初めて住宅を購入した若い夫婦の場合、それも夫婦のどちらかが非常勤労働者であっても、今の居住物件よりもさらに価値の高い物件に住み替えることが可能であるとしています。

 

このレポートでは、国全体の主だった都市部で現在異なるステージにいる3組の夫婦を例に、住宅ローンがどこまで許容可能かを追跡しています。

 

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資産分散と償却メリットを狙った「ニュージーランド不動産」活用法

 

1組目は25〜29歳の正規雇用の共働き夫婦で、今回が初めての住宅購入。REINZ(= Real Estate Instituteof New Zealand ニュージーランド不動産協会)が指定する下位25%の価格帯の物件購入を検討しています。

 

2組目は30〜34歳の若年家族で、正規雇用と週20時間労働の夫婦。5年前に初めて住宅を購入し、当時下位25%の価格帯の物件を取得。現在REINZの中間価格帯の物件購入を検討しています。

 

3組目は35〜39歳の共に正規雇用の共働き夫婦で、10年前に初めて住宅を購入し、当時の下位25%の価格帯の物件を取得。現在は中間価格帯の物件購入を検討しています。

 

それぞれの夫婦の所得は同年代の平均所得であると仮定し、住宅ローンの支払いが手取りの40%を超えない限り、ローンの返済は可能であると判断しています。このレポートでは、価格が急上昇するオークランド、およびクイーンズタウンの住宅市場以外であれば、これら3組の住宅取得は可能であるとしています。

 

オークランドの場合、金利や保険、管理費などの物件に係る経費を含めず、住宅ローン返済額だけで手取りの43.6%に及ぶため、平均的な所得の夫婦にとっては、下位25%の価格帯の住宅購入でさえも負担が大きいと言えます

 

しかし、5年から10年前に初めて住宅を購入した2組目、3組目の夫婦にとっては、より価値の高い住宅への住み替えはまだ可能であると言えるでしょう。それは住宅価格の上昇を受けて、所有物件の資産価値が大幅に上がったためです。

 

 

もし、5年前にREINZの下位25%の価格帯の物件を購入し、現在の下位25%の価格帯で売却した場合、36万8,535NZドルの売却益を得られ、それを中央価格帯の住宅購入に充てることができるのです。

 

この利益には、5年前に初めて購入した住宅の資産価値の上昇と、今の割安な業者への販売手数料、そしてこの5年分の住宅ローンに対する資本的支出が関係しています。

 

REINZの中央価格である82万5,000NZドルのオークランド物件を購入するには、46万5,665NZドルの住宅ローンが必要になります。これによる週当たりの返済額は5万2,963NZドル、または手取りの38.6%に当たります。

 

そのため、夫婦の片方が非常勤労働者であったとしても、住み替えはまだ可能であるといえますが、毎週のローン返済後に手元に残る842NZドルでその他すべてを賄わなければなりません。もし子供がいる場合、余剰金はほぼなくなるといえます。

 

しかし、非常勤から正規雇用になった場合、状況は大幅に改善されるでしょう。

 

10年前に初めて住宅を購入した、3組目の35〜39歳の夫婦は、現在共に正規雇用の共働きであるため、より価値の高い物件への住み替えは一層容易です。10年経った今、その住宅を売却すれば、この夫婦には43万4,735NZドルが入り、中央価格帯の住宅を購入するに当たって必要な住宅ローンは39万265NZドルになります。

 

ローンの返済期間が30年だったと仮定した場合、返済額は手取りの23.7%となりますので、この夫婦には多くの選択肢が残されます。住宅ローンの返済額を適切に保ちながら、資金のいくらかを預金と投資に回すこともできるでしょう。または、早期返済に努め、本格的に老後に備えることもできます。

 

レポートは、過去にオークランドで住宅を購入し、その後の住宅価格の上昇がもたらした利益を享受する者と、初回住宅購入者との間に横たわる貧富の差を浮き彫りにしています。

クイーンズタウンでは、より選択肢が限定的

クイーンズタウンは、オークランドに比べさらに大きな住宅取得問題に直面しています。

 

 

リゾートタウンにおける下位25%の価格帯物件のローン返済額は、初回住宅購入者の手取り平均の実に48.9%にも相当します。そのため、もし夫婦のどちらかが非常勤労働者である場合、5年前に住宅を購入していたとしても、さらに価値の高い住宅を購入することは困難でしょう。

 

10年前にクイーンズタウンに初めての住宅を購入し、今も正規雇用の共働きであったとしても、中間価格帯の住宅への住み替えを行った場合には多くの現金を手元に残すことはできないでしょう。それはローンの返済が手取りの37.5%にも相当し、許容限界に当たるからです。

 

しかし、オークランドとクイーンズタウン以外の地域であれば、住宅ローン返済能力に関するレポートが一般的な住宅購入者と定義するすべての人たちにとって住宅購入は可能であり、将来の家計を考える上でより多くの選択肢を得ることができるでしょう。

 

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資産分散と償却メリットを狙った「ニュージーランド不動産」活用法

 

住宅購入者がさらに郊外へと広がっており、住宅価格の動向が注目されています。

Goo Property JP(TERRY’s WAY株式会社) 代表取締役社長

1992年、奈良県天理大学中退。1993年、個人輸入代理店を起業。ITシステム開発会社のジョイントベンチャー設立などを経て、2003年、グルメデリバリーシステム株式会社(現:Terry’s Way株式会社)を創業。自ら開発した富良野メロンパンの移動販売を手掛け、2004年よりフランチャイズ募集を開始(2007年、100加盟店を達成)。現在は、Terry’s Way株式会社 FOOD事業部として展開中。

2009年、富裕層向け国際会計サービス HENRY INVESTMENT SERVICES pte.ltdを元PWC国際会計士と共同設立(本社:シンガポール)。海外金融サービスや投資スキームのコンサルティングサービス、富裕層開発のマーケッターとして、顧問社数は現在200社を超える。2014年より、海外投資サービスの一環として海外不動産投資のリサーチを開始。2015年、ニュージーランド不動産投資コンサルティングサービスを開始し、GOO Property NZ LimitedをNZ不動産エージェントと共同設立。GOO Property ジャパン (Terry’s Way株式会社)と共に不動産投資コンサルティングサービスを行う。
WEBサイト http://gooproperty.com/

著者紹介

連載償却メリットでも注目!「ニュージーランド不動産」の最新事情

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資産分散と償却メリットを狙った「ニュージーランド不動産」活用法

~現地専門家が伝えるNZ中古不動産市場の最新事情と日本人としての投資法

講師 伊藤哲次氏
日時 2017年06月24日(土)
内容

・ニュージーランド経済と投資環境の最新事情

・NZ中古不動産市場の現状と展望

・NZ不動産取引の仕組みと日本との違い

・購入までのスケジュール、諸費用等について

・築古、建物比率の高い案件を中心に物件情報も公開

会場 幻冬舎本社ビル内 セミナー会場

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