残された家族もこれで安心――「遺言」の基本的な活用法

今回は、残された家族のもめごとを防ぐこともできる「遺言」の基本的な活用法を紹介します。※本連載は、行政書士・尾久陽子氏の著書『定年直前から死んだあとまで。お金の手続きがすべてわかる本』(主婦と生活社)の中から一部を抜粋し、元気なうちに準備しておきたい「自分の死後」の手続きについて解説していきます。

法律で定められている「遺言」の効力

「遺言」とは、生前に財産の処分方法などについて表明した意思を、自分の死後
に実現させるための制度です。遺言をするためには口頭で伝えたり、録音・録
画では足らず、法に則った書面を作成する必要があります。これを「遺言書」と
いいます。

 

法律上、遺言ができることは限定されており、主なものは次の通りです。

 

【図表1】遺言ができること

「遺言」を書くべき人とは?

遺言は残された家族が迷ったり、もめたりすることを防ぎます。亡くなった
本人の意思がはっきりしていれば、もめごとの大半は防止できるでしょう。
遺言を書いたほうがよい人は次の通りです。

 

●事実婚(内縁関係)の人……遺言がないと、内縁の配偶者には遺産を引き継ぐ
権利がない。

●子どもがいない人……配偶者に確実に財産を相続させたいときは遺言が必要。

●子どものうち1人だけ財産を多く残したい人……生活が不安定な子ども、病
弱な子ども、障がいのある子どもなどに多く残したい場合。

●前妻との間に子どもがいる人……遺言がないと、後妻が前妻の子どもと話し
合いをしなければならない。離婚者、再婚者は遺言を残そう。

●自分の会社を後継者に引き継ぎたい人……経営に関係のない相続人にも株式
の相続権が発生するため、経営が混乱する危険性がある。

●主要な財産が自宅の土地と建物の人……土地や建物はお金のように簡単に分
けることができないため、自宅を残したいときは対策が必要。

 

なお、遺言には3つのタイプがあります。

 

【図表2】 遺言の3つのタイプ

 

おぎゅう行政書士事務所・おぎゅう居宅介護支援事務所 代表

行政書士。一般社団法人キャリア35代表理事。ファイナンシャル・プランナー。「表現と家族をサポート」をモットーに、遺言や遺産分割協議書の作成だけにとどまらず、本人、家族の思いを実現する生活・キャリアに密着した総合的な支援を行っている。監修者として『トクする相続超入門ガイド』(主婦と生活社)、共著に『くらしの相続Q&A』(新日本法規出版)、『印鑑の基礎知識』(きんざい)、『好きを仕事に!』(ビーケイシー)などがある。

著者紹介

連載元気なうちに準備する「自分の死後」の手続き

定年直前から死んだ後まで。 お金の手続きがすべてわかる本

定年直前から死んだ後まで。 お金の手続きがすべてわかる本

尾久 陽子

主婦と生活社

定年目前のあなたに贈る、これからのお金の手続きを流れに沿ってまとめた60歳からのマネーガイドブックです。親からの贈与や相続、自分の死後に関することまで、退職後の半生に関わる「お金」の手続きをまとめてご紹介します。…

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