今回は、「個別株の動向」も毎日必ずチェックすべき理由を見ていきます。※本連載は、IFTA国際検定テクニカルアナリストとして活躍する福永博之氏の著書、『ど素人が読める株価チャートの本』(翔泳社)の中から一部を抜粋し、「テクニカル分析」の基礎知識と分析方法を紹介します。

日経平均が好調だからといって油断していると・・・

前回は、日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)、JPX日経インデックス400といった市場全体の値動きについて解説しましたが、市場全体の動きを表す指数をチェックしておけば、自分の保有している銘柄の株価はみなくてよいかというと、それだけでは足りません。

 

保有している個別株の値動きもしっかりチェックする必要があります。なぜなら、個別株のなかには日経平均株価やTOPIXなどと連動しない銘柄も数多くあるからです。

 

また、通常は個別企業に関連するニュースや投資家の思惑などによって取引されて株価が動いているわけですから、株価をみないでほったらかしにすることは厳禁なのです。

 

もっともよく聞く失敗は「ちょっと仕事が忙しくて株価をみていなかったら、気づいたときには大きく値下がりしていた」や「日経平均株価などの市場全体を表す指標が横ばいか、あるいは値上がりしていたため、自分の保有株も値上がりしているだろうと思いこみ、しばらく株価をみていなかったら、値下がりしていた」といったものです。

 

また、「値下がりしているのに気づいたときには損失が拡大してしまっていたが、TOPIXが値上がりしていたため、また戻ってくるだろうと思って放置した。すると、もっと含み損が拡大する結果になっていた」という失敗談もあります。

含み損を抱えたまま塩漬けにしているケースは多い

こうした状況から塩漬け株にしている投資家は、人には敢えていいませんが、結構多くいるのではないかと思われます。

 

なぜなら、株を保有している投資家のなかで、利益が出ている状態でそのまま持ち続けるのは、かなり強い精神力が必要になるからです。

 

したがって、含み益が出ている銘柄は利益を確保するために売る一方で、売りそびれてしまった場合や損失が発生しているケースでは、我慢しようとする気持ちの方が勝ち、損失を抱えたまま保有し続けている人の方が圧倒的に多いと考えられるのです(これは行動ファイナンスのプロスペクト理論などで解説されています)。

 

売りそびれたことに気付いてももう遅い
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ど素人が読める 株価チャートの本

ど素人が読める 株価チャートの本

福永 博之

翔泳社

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