前回は、腸内をスムーズにする「食物繊維」の作用について説明しました。今回は、腸内環境を整える「発酵食品」の働きについて見ていきます。

腸の「善玉菌」を増やす作用がある発酵食品

免疫力を上げるには、腸の善玉菌を増やすと良いということは私が以前から解説してきました。善玉菌を増やす食品は、実は日本の伝統的な食品の中にたくさんあります。

 

その代表が「発酵食品」です。例えば味噌、しょうゆ、納豆、麴、酢など、日頃の食卓になじみ深いものばかりです。

 

発酵とは、生きた菌が、糖分をエサとして取り込み、ないものを生み出したり、あるものを分解したりしていることであり、酵母や乳酸菌といった菌の生命活動といえます。

 

発酵食品には腸の善玉菌を増やし、悪玉菌を排除して、腸内環境を整える働きがあります。腸内環境が良くなれば、食べ物の消化・吸収が良くなりますので、発酵によってつくりだされた酵素や成分をしっかりと取り込むことができ、それらが腸を整えるという好循環も期待できます。

ビタミンCの補給も兼ねる「野菜の糠漬け」

発酵食品の中でも特におすすめなのが、野菜の糠漬けです。糠漬けは、酵母や乳酸菌を使って発酵させた漬物で、菌が野菜の糖分を分解し、旨みをつくっています。

 

最近では低塩のものも増えてきていますので、塩分が気になる人も摂りやすくなっていると思います。加えて、糠漬けはビタミンCの補給にもなります。ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、漬物なら加熱しないので、ビタミンCが豊富なまま食べられます。

 

なお、海外の食べ物にも発酵食品はあります。代表的なものにはチーズ、ヨーグルト、キムチ、ザーサイなどが挙げられます。

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    本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『健康寿命を10年延ばす 免疫力の高め方』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

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