今回は、株価に大きな影響を与える「大口投資家」の動向を説明します。※本連載は、IFTA国際検定テクニカルアナリストとして活躍する福永博之氏の著書、『ど素人が読める株価チャートの本』(翔泳社)の中から一部を抜粋し、「テクニカル分析」の基礎知識と分析方法を紹介します。

「たった一夜」で株式市場の環境は大きく変わる

今回は、テクニカル分析をより有効に利用するための準備について説明します。

 

みなさんよくご存じのように、テクニカル分析で用いられる株価は毎日変動しています。また、株価を基につくられているトレンド分析や売買タイミング分析、フォーメーション分析は、3種類ともに株価に連動して日々刻々と変化しています。

 

記憶に新しいギリシャの債務問題や中国の景気減速懸念、またアメリカの利上げなど、外部環境の変化によって一夜明けただけで市場を取り巻く環境や情勢が大きく変化することがあります。

じつは「動きが早い」大口投資家

そうしたなかでも株価を毎日チェックしていれば、異変に気づけます。なぜなら株式などの金融商品で大量の資金を運用している生損保など、いわゆる機関投資家と呼ばれる大口投資家や、ヘッジファンド(主に外国人投資家)、そして世界最大級の公的運用機関である国内年金基金などの売買動向がチャートに表れるからです。

 

情報をたくさん集めて分析しているこれらの投資家は、リスクが高いと思えば実際に何かが起こる前に換金売りを出すでしょうし、逆に、2014年10月31日に発表された日銀の追加緩和発表時のように、金融緩和が行われれば大量に買うなど、結果が判明する前後や、わかったところで大きく動き始める、といった投資行動をとっていることはよく知られていることです。

 

特に、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)、JPX日経インデックス400などの指数とよばれる、市場全体の値動きを表す指標は、そうした動きが顕著に表れます。そのため、是非毎日、指数などの価格をみるようにしてほしいのです。

 

また、価格をみると同時にチャートもしっかりチェックするようにしてください。そうすることが変化の兆しを先取りして、他の投資家よりも一歩でも半歩でも早く行動を起こすためのカギになると同時に、みなさんにとってのリスク回避やチャンスを逃さない投資行動に結びつくことになります。

 

[図表]TOPIXの日足チャート

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