親が老人ホームに・・・小規模宅地等の特例が適用されないケース

前回は、「親が老人ホームに入った場合」にも適用される、小規模宅地等の特例について解説しました。今回は、この事例で小規模宅地等の特例が適用されないケースについて見ていきます。

空いた親の居住空間を「貸す」と特例は使えない!?

前回の続きです。次に、「ハ 入居後あらたにその建物を他の者の居住の用その他の用に供していた事実がないこと」については、前回の①、②の事由により被相続人の居住の用に供されなくなった後に、あらたにその宅地等を次のA、Bの用途に供した場合には、その宅地等はこの特例の適用を受けることはできないこととされました。

 

A 事業(貸付けを含む)の用途
B 被相続人またはその被相続人と生計を一にしていた親族以外の者の居住の用途

 

要するに、親が老人ホームに入った後で、二世帯住宅の親が居住していた部分を人に貸してしまったら要件は満たされないことになるわけです。

 

「空いている部屋をそのままにしておくのはもったいない」などと考えて賃貸に出そうとする人がいるかもしれませんが、万が一、そのようなことをすれば小規模宅地等の特例は適用されなくなります。くれぐれも気をつけてください。

特例を受けるために必要となる書類とは?

なお、親が老人ホームに入ったケースでは、特例の適用を受けるためには相続税の申告書とともに以下の書類を提出することが必要となります。

 

●相続開始の日以後に作成された被相続人の戸籍の附票の写し

 

●介護保険の被保険者証の写しまたは障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害者福祉サービス受給者証の写しその他の書類で、被相続人がその相続開始の直前において介護保険法に規定する要介護認定もしくは要支援認定または障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害支援区分の認定を受けていたことを明らかにするもの

 

●被相続人がその相続開始の直前において入居または入所していた住居または施設の名称及び所在地並びにこれらの住居または施設が前述のいずれかの住居または施設に該当するかを明らかにする書類

 

提出すべき書類について不明な点があれば、税理士などの専門家に相談すれば適切なアド
バイスを得ることができるでしょう。

本連載は、2015年7月30日刊行の書籍『親子で進める二世帯住宅節税』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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税理士法人 斎藤会計事務所  所長

税理士。
税理士法人斎藤会計事務所所長。1998年の事務所開業直後から会社設立支援に力を入れ、創業・融資・事業拡大と100社を超える経営計画のサポートを行う。近年は高齢の親を持つ子世代を対象にしたWebサイト「オヤノコト.net」で自らの体験を生かした相続人向けの相続について連載。著書に『独立を考えた時に読む本2002』『独立を考えた時に読む本2002―Ⅱ』(日経BP社)記事執筆、『相続の現場55例』(ダイヤモンド社)など。相続税対策セミナーも多数開催。

著者紹介

親子で進める二世帯住宅節税

親子で進める二世帯住宅節税

斎藤 英一

幻冬舎メディアコンサルティング

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