前回は、日本食に欠かせない「味噌汁」の効用を説明しました。今回は、バランスの良い食事を摂るために覚えておきたいキーワード「まごわやさしいこ」について紹介します。

豆類等の頭文字を取った「まごわやさしい」

ごはんと味噌汁を基本にして、ほかの食材はどのように選ぶのがいいでしょうか。栄養のある多種類の食品を、毎日の食事でバランスよく取り入れるのは案外難しいものです。

 

そこで覚えておくと便利なのが、「ま・ご・わ・や・さ・し・い」という言葉です。

 

これは、医学博士で食品研究家でもある吉村裕之氏が提唱したものです。豆類、ゴマなどの種子類、ワカメなど海藻類、野菜類、魚介類、シイタケなどキノコ類、イモ類という、積極的に摂取したい食品の種類の頭文字をとったものです。

 

最近は、中高年向けの健康講座や、学校の食育の時間などで取り上げられることも増えているため、聞いたことがある人も多いと思います。

「こ・酵素」も加えて栄養をより完璧に

この「まごわやさしい」を覚えておくと、面倒なカロリー計算などをせずとも、バランスよく必要な栄養を摂取することができます。また、ここに挙げられている食材は、昔から日本人が馴染んでいる食材ばかりです。どれも主食のごはんに合いやすく、献立の組み合わせが幅広くなる、というメリットもあります。

 

さらに私は、この最後に「こ」を加えて、「まごわやさしいこ」という形で、生徒たちや周りの人にすすめています。「こ」とは、発酵食品の酵素のこと。まごわやさしいの7種の食材に味噌や漬物といった日本人が昔から食べてきた発酵食品を加えると、日本食のすばらしい栄養をより完璧な形で摂れると考えたからです。

 

1回の食事で8種の食材すべてをとるのは難しいときは、一日3食で8種類がそろうようにするのでもかまいません。できるところから取り入れてみてください。

 

それでは、次回からは「まごわやさしいこ」のそれぞれの食材の特徴や食べ方などを、順に紹介していきましょう。

本連載は、2015年11月26日刊行の書籍『学力は「食育」でつくられる。』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

学力は「食育」でつくられる。

学力は「食育」でつくられる。

池上 公介

幻冬舎メディアコンサルティング

勉強は「基礎が大事」と言われます。基礎がきちんとしていなければ、その上にいくら知識を積み上げても結局崩れてしまいます。同様に、学習に取り組む意欲や自己を律する自制心、困難に負けずに学び続ける気力・体力も大切です…

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