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連載売り買いのタイミングがズバリわかる「テクニカル分析」の基礎知識【第11回】

3つのテクニカル分析を使って売り時・買い時を逃さない方法

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3つのテクニカル分析を使って売り時・買い時を逃さない方法

今回は、3つのテクニカル分析を使って売り時・買い時を逃さない方法を紹介します。※本連載は、IFTA国際検定テクニカルアナリストとして活躍する福永博之氏の著書、『ど素人が読める株価チャートの本』(翔泳社)の中から一部を抜粋し、「テクニカル分析」の基礎知識と分析方法を紹介します。

「下げ止まり」と判断するためのルールを決める

株価は「上がるか」「下がるか」「横ばいか」の3つの値動きが基本となるわけですが、そうしたなかで、まず、買った方がよい株なのか、売った方がよい株なのか、の選択を行う必要があります。

 

ただ、初心者が失敗してしまう例で最も多いのが、投資の実践のまさに入り口にあたるこの「買い」や、利益確定の「売り」の部分です。実はこのもっとも重要な「買い」と「売り」が、意外と軽視されており、失敗の大きな原因となっているのです。

 

たとえば、連載第4回のトヨタ自動車の例のように、業績発表のなかで上方修正されても株価が下落する場合、ちょっと経験のある投資家であれば「ここは下げ止まるまで様子をみてから買おう」とすぐに思いつくところです。

 

しかし、初心者は「業績が良いのだから、いつか下げ止まって戻ってくるはず。だから、いつ買っても同じだし、長く持ち続けるつもりだから」と考え、下げている途中を買って塩漬けになってしまうか、下げに耐えられず損失覚悟で売ってしまうといった失敗をしてしまいがちです。

 

一方、投資経験のある投資家は、「下げ止まってから買おう」と考えて様子見をします。ただ、「下げ止まってから買おう」と考えるところは良いのですが、その下げ止まりを判断するための定義やルールがないことから自分の感覚に頼ってしまい、残念な結果になるのです。

 

では、どのように判断すればよいのでしょうか? 失敗を回避するためには、最初に自分なりの下げ止まりのルールを決める必要があります。またそのルールを決めるために必要なのが、これまでお話ししたトレンド分析、オシレーター分析、フォーメーション分析なのです。

株価の方向を判断する「トレンド分析」

まず、買うか売るかを決めるのにはトレンド(株価の方向)の判断が必要です。なぜなら、損失を抱えてしまうため、下落途中の銘柄を買ってはいけないからです。したがって、上昇中、あるいは上昇が始まったところであると判断されれば「買い」でスタートします。

 

一方、トレンドが下落途中、あるいは下落が始まったところと判断された場合、「買い」は見送ります。これは非常に簡単な判断ですが、ファンダメンタル分析と同時にテクニカル分析も行って売買を判断する投資家は、残念ながらほとんどいないでしょう。

 

[図表1]トレンド分析のイメージ

 

一方、ファンドマネジャーなど、ファンダメンタル分析を重視して投資を行う投資家はチャートを見ていないという人がいますが、実はケースバイケースです。

 

日本テクニカルアナリスト協会の会員の中にも、ファンドマネジャーは在籍していますし、私が資格を持っている国際テクニカルアナリスト連盟に加盟している会員には、日本でも有名な海外の証券会社のファンドマネジャーがいます。

 

彼らをみていると、ファンダメンタル分析だけで突出したパフォーマンスを上げることが難しくなっていると考えている人が少なくないです。

 

ファンダメンタル分析をベースにパフォーマンスをさらに向上させるために、基本的なテクニカル分析をマスターして運用に活用しているファンドマネジャーも増えているのです。

 

このように、プロの機関投資家と呼ばれるファンドマネジャーが運用競争で勝ち抜くためにテクニカル分析を取り入れているなかで、売買判断のルールもないままに投資を行っても利益につながる可能性は低いといわざるをえません。

売買のタイミングを探る「オシレーター分析」

失敗を減らしパフォーマンスを向上させるため、次に行うのが売買タイミング分析です。株価が上昇トレンドと判断されても、株価は上下動しながら上昇していくことが多いので、その上下動のなかで売買のタイミングを探るわけです。そしてその時に用いるのがオシレーター分析です。

 

[図表2]オシレーター分析のイメージ

 

オシレーター分析は、売買タイミングを教えてくれるテクニカル指標ですが、トレンド分析とあわせて使うことによって、より有効性を発揮します。トレンド判断と売買タイミングを組み合わせることで、オシレーター系のテクニカル指標が発する売買シグナルの間違いを発見しやすくなり、無駄な売買を減らせます。

 

また、テクニカル指標が発するシグナルはもちろん万能ではありません。時には間違ってシグナルを発することがあります。そのため、間違ったシグナルを発しやすい状況を知っておく必要があるのです。

 

そうしたシグナルの間違いを予め知っておけば、実際の投資における売買の失敗が少なくなると考えられると同時に損失の減少につながることになり、みなさんのパフォーマンス向上に役立ってくれることになるのです。

株価の天井や底を判断する「フォーメーション分析」

最後に行うのがフォーメーション分析です。これは、値動きによってできあがるチャートの形から、株価の天井や底を判断するものです。利点は、トレンド分析やオシレーター分析で判断しづらい、迷ってしまうところや、判断が遅れてしまうところをカバーできる点にあります。

 

[図表3]フォーメーション分析のイメージ

 

これら3種類の分析手法を身につければ、今買いなのか、売りなのかを判断できるようになると同時に、成功に近づけるでしょう。

 

また、この「今どういう状況か」を分析し、「次にどうするか」という判断がそもそも間違っていたら、間違った入り口から入ってしまい、迷路の中をさまよい歩いた揚句、マーケットから退場させられてしまうことになりかねません。

福永 博之

株式会社インベストラスト代表取締役 国際テクニカルアナリスト連盟 国際検定テクニカルアナリスト

勧角証券(現みずほ証券)を経て、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)に入社。 同社経済研究所チーフストラテジストを経て、現在、投資教育サイト「itrust アイトラスト」の総監修とセミナー講師を務める。
6月より日本テクニカルアナリスト協会副理事長に就任。
日経CNBC「朝エクスプレス」、ラジオ日経「世界の株価 de 資産運用」、「スマー トトレーダーPLUS」、「ウイークエンド株!」などの番組にレギュラー出演中。 マネー誌やWEBの連載、著書多数。

著者紹介

連載売り買いのタイミングがズバリわかる「テクニカル分析」の基礎知識

ど素人が読める株価チャートの本

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福永 博之

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