前回は、投資用アパートの構造の特徴を見てきました。今回は、「RC造マンション」の大家になるべきではない理由について説明します。

店子が入らず収支がマイナスになる可能性が高い!?

前回、一番家賃を高く設定できるのはRC造であると述べました。ですので、家賃を高く設定できるRC造がいいと思うかもしれません。しかし、アパート経営で一番重要なのは収益性。いくら家賃相場が高めでも、入居者がいなければ意味がありません。

 

そもそもRC造は、家賃が割高なので法人と富裕層がターゲットとなります。法人契約の場合は、社員寮代わりに借り上げるので入居者の負担が少なく、多少家賃が割高でもニーズがあるのです。

 

ところが最近はそのような家賃補助を出すような景気のいい会社が減りました。法人の契約件数は縮小傾向にあります。景気の影響は富裕層に関しても同じで、やはり契約件数は減っています。

競合相手は資金とノウハウが豊富な不動産投資ファンド

また、RC造のアパートは、強力な競合相手がいる可能性が高いこともネックとなります。RC造は、四角い形(陸屋根)のいわゆるマンションタイプです。実はこのような物件は、資金が潤沢にある不動産投資ファンドが運営しているケースが多いのです。

 

不動産投資ファンドは、投資家から資金を集め、さらに銀行からお金を借りて3億円から4億円で1棟あたり20戸以上の物件を建てます。タイル張りの外装にオートロック付き。まるで分譲マンションのような立派な建物です。さらに投資家から出資してもらい、大量の広告を打ちます。

 

2000年代前半は、利回りの高い東京、大阪、名古屋の都心部を中心に展開していましたが、リーマンショック前に飽和状態になり千葉駅周辺など地方都市にも進出してきました。

 

建築してしばらくは満室状態が続いたようですが、景気が悪化した現在は当然大苦戦しています。千葉駅周辺の物件は、当初8万円だった家賃が7万円になり、最近は6万円強。20%のダウンといった状況です。

 

このように最高グレードの物件は、景気に左右されやすいといえます。また、同物件を好む富裕層は、ほかに魅力的な物件があれば、すぐに引っ越す傾向があります。つまり陳腐化のスピードも早いのです。

 

ところが運営する不動産投資ファンドはプロ。そのようなことは見越しています。陳腐化が目立つ前に売却するのです。その利益で銀行にお金を返し、余った分は次の物件開発へ。損をするのは投資家だけですもし、皆さんがRC造の建物を所有したら、このようなプロ中のプロが所有する豪華物件と勝負しなければなりません。当然入居者の募集は難しいでしょう。

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    本連載は、2014年11月27日刊行の書籍『サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    田脇 宗城

    幻冬舎メディアコンサルティング

    広がる格差、上がらない給与、将来に備えた生命保険や家のローンに子どもの教育費・・・。働けど働けど出費は増える一方なうえに、将来に対するお金の不安も拭えないという30代のサラリーマンは多いでしょう。 年収がプラス30…

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