相続・事業承継 相続対策
連載いざというとき迷わない「葬儀のあと」の手続き【第8回】

受取人によって変わってくる「死亡保険金」の税金

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受取人によって変わってくる「死亡保険金」の税金

今回は、受取人によって変わる「死亡保険金」の税金について説明します。※本連載は、弁護士・本橋光一郎氏らの監修による書籍、『迷わずできる葬儀のあとの手続きのすべて』(大泉書店)の中から一部を抜粋し、遺族にとって必要な「葬儀のあと」に行う手続きを紹介していきます。

受取人によって税金が「3種類」に分かれる

生命保険は受取人によって税金の種類が変わります。下記図表のように、契約者と受取人によって「相続税」、「所得税」、「贈与税」と3種類に分けられます。どのケースに当てはまるのかを確認してみましょう。

 

典型的な「3つのケース」を把握しておく

<ケースA>「相続税」となる場合

 

被保険者:故人(父)/契約者:故人(父)/保険金の受取人:子または妻

 

故人が自身に保険金をかけ、支払っているので、故人の財産になります。受取人が妻や子(法定相続人)の場合、亡くなることで生じる財産を「みなし相続財産(※1)」といい、「500万円×法定相続人の人数」まで非課税になります。

 

(※1)「みなし相続財産」とは、被相続人が亡くなったことで、契約上指定された人が受け取る財産のことです。

 

例)

相続人が妻1人、子2人の場合500万円×3人=1500万円

→1,500万円までの保険金は非課税

 

 

<ケースB>「所得税」となる場合

 

被保険者:故人(父)/契約者:妻/保険金の受取人:妻

 

保険料を支払う人と受取人が同一人物という場合です。自身の一時所得とされ、確定申告によって所得税を支払います。課税の対象は、受け取った死亡保険金から「支払った保険料」と「一時所得の特別控除50万円」を差し引いた金額をさらに1/2にした金額です。

 

例)

受け取った死亡保険金:3,000万円

支払った保険料:1,000万円

一時所得の特別控除:50万円

※死亡保険金を一時金で受領した場合

 

3,000万円-(1,000万円+50万円)=1,950万円

→一時所得の金額

 

1,950万÷2=975万円課税の対象:975万円

※「雑所得」として受け取る場合は計算方法が上記とは異なります

 

<ケースC>「贈与税」となる場合

 

被保険者:故人(父)/契約者:妻/保険金の受取人:子

 

保険料を妻が支払い、子が受け取るというケースです。この場合は、妻から子への贈与ととらえられ、「贈与税」がかかります。受け取った死亡保険金から「支払った保険料」と「贈与税基礎控除額110万円」を差し引いた金額が課税対象です。

 

例)

受け取った死亡保険金:3,000万円

支払った保険料:1,000万円

贈与税基礎控除額:110万円

 

3,000万円-(1,000万円+110万円)=1,890万円課税の対象:1,890万円

 

※「相続税」と「贈与税」は、死亡保険金を「年金型」で受領する場合、毎年支払われる年金(公的年金以外の年金)にかかる所得税については、年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法により計算します

 

 

相続税、所得税、贈与税、それぞれの課税率について国税庁のホームページ

https://www.nta.go.jp/

本橋 光一郎

本橋総合法律事務所 弁護士

東京弁護士会所属。本橋総合法律事務所を開設。民事事件を幅広く手がけるとともに、とりわけ、相続、遺言、成年後見、離婚などの家事事件についての経験が豊富である。相続判例研究、相続法研修講師なども多く行っている。

著者紹介

連載いざというとき迷わない「葬儀のあと」の手続き

迷わずできる葬儀のあとの手続きのすべて

迷わずできる葬儀のあとの手続きのすべて

本橋 光一郎

大泉書店

家族が亡くなったとき、遺された方は悲しみで頭がいっぱいになるものです。手続きのことまで頭が回らないという状況になりかねません。「故人の口座が凍結されるのはいつ?」「保険証はどうするの?」「年金の停止はいつまでに…

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