今回は、管理委託費は対価に見合っているか、マンション住民全員で検討すべき理由を見ていきます。※本連載は、須藤桂一氏の書籍『忍び寄るブラックマンション危機とその回避法』(保険毎日新聞社)の中から一部を抜粋し、マンション管理に様々な問題を抱える、いわゆる「ブラックマンション」の概要と、ブラック化の回避方法を見ていきます。

対価に見合うサービスを提供する管理会社は少ない

通常は100世帯程度のマンションであれば、年額でおよそ1000万円程度の管理委託費を管理会社に支払っています。これが築10年のマンションなら、累計で1億円の委託費用に達します。

 

しかし、このように年間1000万円も支払っているにもかかわらず、管理組合や区分所有者が受け取る対価は、管理会社のお仕着せのサービスがほとんどなのです。

 

たとえば、管理員さんや清掃員さんは、採用のしやすさから平日の勤務が中心だったり、定期清掃の回数も、エレベータ点検の回数も、実際にはもっと少ない頻度で十分なのに、管理会社が提示した回数になっていたりと、いずれもサービスを提供する側の都合のいいように決められています。

居住者の「意識改革」こそがマンション管理の第一歩

こんなサプライヤー主導のサービスに対して、毎年1000万円ずつきちんと支払っているわけで、筆者たちコンサルタントから見ると、「ムリ・ムラ・ムダ」が非常に多くあるというのが実態なのです。

 

マンション管理の主体はあくまでも区分所有者、いい換えれば居住者全員です。マンションに住んでいる以上、マンション管理からは逃げることも隠れることもできないのです。

 

ですから、「忙しいから」とか「興味がないから」などといって敬遠せず、まずは積極的に関心を持つことから始めていただきたいと思います。居住者の意識改革こそが、マンション管理の第一歩となるのです。

 

 

イラスト=田中マコト

本連載は、2015年4月21日刊行の書籍『忍び寄るブラックマンション危機とその回避法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

忍び寄るブラックマンション 危機とその回避法

忍び寄るブラックマンション 危機とその回避法

須藤 桂一

保険毎日新聞社

金融破綻、年金破綻、そしてマンション破綻、著者はこの3つを「日本の三大破綻」と位置付けている。高すぎる管理費が修繕積立金を圧迫するなか、人口が減少していくニッポンで地方のマンションは資産価値を保ち続けることがで…

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