生命保険を活用した相続対策が、他の対策より有効な理由

前回は、介護保険による「介護給付金」を活用した相続対策を紹介しました。今回は、生命保険を活用した相続対策が、他の対策より有効な理由を見ていきます。

信頼性・流動性・安全性に優れ、手軽な生命保険

これまで、保険を利用することで相続税の実質負担をゼロにする方法を紹介してきました。それぞれに一長一短はありますので、どれを選択していくかは、財産状況や家族構成などで判断することになります。

 

本連載で声を大にしてお伝えしたいことといえば、今まで紹介してきたすべての保険を利用したスキームは、それぞれに特徴こそありますが、他の相続税対策と比べて、多くの場面で有効な手法であるということです。

 

あらためて保険の優位性を考えるために、他の金融商品や手法と比較して確認していきます。

「不動産」を活用した相続対策との比較

財産評価を下げることで相続税の節税を考えたときに、よく耳にするのは不動産を利用した対策です。本連載でも何度か触れてきましたが、評価方法と財産評価の圧縮額についてここで詳しく説明します。

 

●自宅の購入(セカンドハウスや別荘も含む)

 

家屋:固定資産税評価額

貸家:固定資産税評価額×(1―借家権割合×賃貸割合)

 

宅地:路線価×地積が基本。一部、固定資産税評価額×評価倍率

貸宅地:宅地評価額×(1―借地権割合)

貸家建付地:宅地評価額×(1―借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

 

家屋の相続税評価額は、固定資産税評価額となりますが、固定資産税評価額は、時価の70%程度といわれていますので、5000万円で購入した家屋であれば、3500万円程度に下がる可能性があります。貸家にした場合は、そこからさらに評価が下がることとなります。

 

宅地は、市街地の場合、路線価と地積を乗じて評価額を算出します。市街地以外の場合には、固定資産税評価額と評価倍率を乗じて評価額を算出します。そこからさらに、土地を貸し付けている場合、貸家と一緒に貸している場合などは、評価が下がります。

 

建物・土地それぞれ、30~40%の評価減を見込むことができます。さらには、親と同居している相続人が住み続ける場合、または別居している子が自宅を所有していない場合などは、小規模宅地の特例が適用される可能性が高くなり、最大80%の評価減を活用することができます。

 

また2014年より小規模宅地等の特例については居住用の土地については330㎡まで最大80%の評価減ができます。5000万円の小規模宅地であれば1000万円の財産評価となります。

 

ただし、不動産で対策する場合の一番の問題は、取得した不動産が、今後も同じ価値を維持できるかどうかにあります。アパートを取得した場合は、入居者がいて、賃貸収入がしっかり確保できる状態が継続できるかどうかにかかっています。

 

不動産は、購入時に登録免許税、不動産取得税、仲介手数料、調査費用等がかかり、購入後には管理費や修繕費、固定資産税がかかります。購入後に価値を維持するためには、大変な労力、コスト、時間も必要です。

 

そのうえ金額は将来どうなるかは未知数です。価値は景気にも左右され、地震などの天災で失うリスクもあります。入居者が問題を起こしたときの対応も必要です。借り入れをした場合、経営がうまくいかなければローン返済が難しくなります。

 

その点、生命保険の契約をする際に必要なのは、少しの時間と書類作成、保険料の振り込みだけで、別途のコストはかかりません。また、契約後も、保険には保有コストというものが存在しません。

 

変額保険以外は、契約時に決められた金額で価値が推移していきます。突然、保険に修繕費が必要ということもありません。簡単、シンプルに、わずらわしさなく、第三者に知られずに、相続税対策を行うこともできます。

 

[図表]財産評価比較表

本連載は、2014年10月3日刊行の書籍『相続税をゼロにする生命保険活用術』から抜粋したものです。
本連載資料は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回りや運用成果等を保証するものではありません。また、本連載は、2014年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。
個別の具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。掲載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本連載で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険をかけられる人、その対象となる体を提供する人のことをいいます。

(注記)本来、相続税対策においては、保険をはじめとしてさまざまな金融商品・現物資産スキームを組み合わせての対策となりますが、本連載では効果をわかりやすく説明するために、最大限に生命保険を活用したかたちでケーススタディを掲載しています。

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連載相続税をゼロにする「生命保険活用術」

GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

相続税をゼロにする 生命保険活用術

相続税をゼロにする 生命保険活用術

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

平成27年の税制改正を前に、各種メディアに溢れかえる相続税対策の数々。しかし主流である不動産を使った対策をはじめとして、どれもこれも導入に手間がかかるうえに、投資額を棄損するリスクが高いものばかりです。生命保険な…

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