がん保険などの「給付金」を活用した相続対策

前回は、「積立型医療保険」を活用した相続対策のポイントを説明しました。今回は、がん保険などの「給付金」を活用した相続対策を見ていきます。

がん・心筋梗塞・脳卒中による生前給付金は非課税

生命保険は、死亡保険金を受け取れば一般的には相続税の課税対象となります。しかし、がんや介護状態になったときに支払われる給付金であれば非課税となることをご存じでしょうか。

 

ここでは、がん保険などを活用して、現物移転や生前贈与をするまでもなく、親が自身を被保険者として契約し、給付金が子に非課税で移転される生命保険活用術を説明します。

 

まず契約関係を確認します。

 

●契約者・・・親

●被保険者・・・親

●給付金受取人・・・親

●指定代理請求人・・・子

 

この契約では、親ががん保険に契約し、実際にがんとなった場合、診断給付金などが親に支払われます。親は、その給付金を病院に支払うお金や当面の生活費などに充てることになります。

 

給付金は原則、親が受け取ることになりますが、親の病状が重くて動けないような場合、給付金の受け取り手続きが難しいことも想定されます。親が請求手続きできないと家族が諸々の支払いに困ってしまうこともあるため、「指定代理請求人制度」というものが用意されています。

 

指定代理請求人とは、正規の受取人の代わりに給付金請求の手続きをする人のことです。給付金は一般的に代理人の口座に振り込まれることになりますが、その給付金は一切が非課税となります。

 

指定代理請求人になる要件は、保険会社によってさまざまです。主に以下のような要件があります。

 

①被保険者の戸籍上の配偶者

②被保険者の直系血族

③被保険者の兄弟姉妹

④被保険者と同居、または被保険者と生計を一にしている被保険者の3親等内の親族

⑤被保険者と同居、または被保険者と生計を一にしている④以外の者

⑥被保険者の療養看護に努め、または被保険者の財産管理を行っている者

 

⑤、⑥に関しては親族以外でも可能ということになりますが、保険会社によって所定の審査がありますので誰でもなれるというわけではありません。また、保険会社によっては指定代理請求人の口座に振り込むことができないところもあります。

 

あくまで指定代理請求人制度によって、代理人の口座に給付金を振り込んでもらえる場合に、親が受け取ったとみなし、財産がいったん非課税で移転されるということです。

3大疾病保険金などを使った「非課税資金移転」も

がん保険と同じく、心筋梗塞や脳卒中で給付が受けられる給付金もいったん非課税で受け取れます。「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」は、日本人の死因の7割にのぼるともいわれているほどの病気なので、それを危惧して保険をかける人は非常に多くなっています。

 

他にも、高度障害になって身体のどこかが不自由になってしまった場合の対象となる高度障害保険金や、余命6カ月と宣告された場合が対象となるリビングニーズ保険金なども非課税で受け取れる保険金としてよく知られています。

 

しばらく前までは、給付金の受取人そのものを直接、息子や娘など親族にすることがありましたが、現在では、指定代理請求人制度を活用し、万が一のときに第三者に受け取ってもらう仕組みが一般的です。

本連載は、2014年10月3日刊行の書籍『相続税をゼロにする生命保険活用術』から抜粋したものです。
本連載資料は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回りや運用成果等を保証するものではありません。また、本連載は、2014年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。
個別の具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。掲載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本連載で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険をかけられる人、その対象となる体を提供する人のことをいいます。

(注記)本来、相続税対策においては、保険をはじめとしてさまざまな金融商品・現物資産スキームを組み合わせての対策となりますが、本連載では効果をわかりやすく説明するために、最大限に生命保険を活用したかたちでケーススタディを掲載しています。

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連載相続税をゼロにする「生命保険活用術」

GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

相続税をゼロにする 生命保険活用術

相続税をゼロにする 生命保険活用術

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

平成27年の税制改正を前に、各種メディアに溢れかえる相続税対策の数々。しかし主流である不動産を使った対策をはじめとして、どれもこれも導入に手間がかかるうえに、投資額を棄損するリスクが高いものばかりです。生命保険な…

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