巨額の不良債権を生んだスリランカ国有銀行の旧経営陣の姿勢

写真:GTACスタッフ

ずさんな経営と不正な融資から見えてくる、スリランカの国有銀行が抱える本質的な問題を紹介している本連載。今回は取材に対して逃げ続ける、Lankaputhra銀行の旧経営陣たちの姿勢をお伝えする。

国有銀行の元幹部からの相次ぐ取材拒否

Lankaputhra銀行の巨額な不良債権は2006年から2009年の間に融資されたものである。創立時の会長は国会議員を息子に持つAbeydeera de Vass Gunawardena氏だ。2008年には元投資銀行家のSarath De Silva氏が会長に選ばれた。この2人の任期中に銀行は取り返しのつかない状態になったのだ。Echelon誌は取材を試みたが、この2人を見つけ出すことが出来なかった。2010年にはDe Silva氏を含む全役員が解任されていたからだ。

 

前中央銀行総裁の姉妹にあたる二代目頭取Siromi Wickramasinghe女史は、自身のかつての従業員について話すのは道義に反すると述べ、取材を拒否した。Echelon誌は初代頭取のA T Cooray氏との接触にも失敗した。また、銀行創立から3年の間に在職していたその他2人の取締役にも取材を断られたが、2011年より社長職に就くLasantha Amarasekara氏は本記事の取材を許可してくれた。

取材で明らかになったTri-Star社との取引の実態

問題となっているTri-Star社のローンについて詳しい関係者は、匿名を条件に、Lankaputhra銀行とは昨年と今年にかけ数回話し合いの場を設けたが、未だにTri-Star社からローン返済の確約は得られなかったことを明かした。そして、Tri-Star社の創始者であるKumar Devapura氏は昨年10月に他界した。

 

さらにその関係者は、Lankaputhra銀行は他にも不良債権を抱えていたため、Tri-Star社へのみ執拗に返済を迫ることはなかったと述べた。

 

Echelon誌は、本件に関与していたTri-Star社の役員に接触することができなかった。ラトゥマラナ地区のマリガワ通りに位置するTri-Star社のメイン工場は稼働しているが、Tri-Star社の公式サイトに掲載されていた電話番号はどれも通じなかった。ラトゥマラナ地区にある本社の警備員は経営層とは携帯でしか連絡が取れないことを明かしてくれたが、その経営陣の連絡先は教えてくれなかった。


次回は、国有銀行であるLankaputhra銀行とセイロン銀行による奇異な「利益の生み方」について見ていきたい。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年8月に掲載した「How to Rob a Bank」を、翻訳・編集したものです。

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連載スリランカ国有銀行の甘いガバナンス

『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

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