贈与+終身保険の活用で受贈者の「手残り」をふやす方法

前回は、非課税枠を超えた金額で「生前贈与」を行う方法を説明しました。今回は、贈与+終身保険の活用で受贈者の「手残り」をふやす方法を見ていきます。

解約返戻率が100%を超えたところで、保険を解約する

生前贈与は、親から子へ贈与した時点で相続税対策となり得るわけですから、そこで目的は達成されます。しかし、贈与された現金の使い道として保険を活用することで、受贈者の手残りをさらにふやす方法があります。

 

まず、親は相続税をゼロにするために必要な額を子に贈与します。それを元手として、子は、親を被保険者にして終身保険を契約します。

 

●契約者・・・子

●被保険者・・・親

●保険金受取人・・・子

 

ここでは保険料の払込期間は10年で設定します。毎年、非課税枠を利用して親が贈与して、子はそのお金を使って保険料を10年間支払います。10年経って保険料の払い込みが終わると、解約返戻率は子が投じた元本を上回る102%となります。

 

解約返戻率が100%を超えたところで子は保険を解約し、増額した分に対しての所得税を支払って終了です。贈与を受けた子は、現金を銀行などに預けるよりもふやして手元に戻すことができます。

早い段階で相続が発生するほど、手残りをふやせる

この仕組みには、さらに手残りをふやす方法もあります。途中で親が死亡し、相続が発生した場合に、子は、支払った保険料以上の死亡保険金を受け取ることになります。早い段階で相続が発生するほど、手残りをふやすことができます。

 

死亡保険金は、保険料を支払った当人である子が受け取るので一時所得となり、相続税ではなく所得税が課税されます。贈与期間が短く、保険料をあまり支払っていなければ、死亡保険金で大きくプラスとなるので一時所得金額が多くなり所得税額も高くなりやすく、反対に満期に近づいてから相続が発生すると一時所得金額は少なくなります。

 

所得税の一時所得は(死亡保険金額−支払った保険料−一時所得の特別控除額50万円)×1/2となり、死亡保険金全額が課税対象となるわけではないので、優遇された制度となっています。

 

ただし、生前贈与によって相続税をゼロにするためには、相続前3年以内の持ち戻しを計算に入れる必要があります。10年間贈与を続けたら、持ち戻しがなくなるのは13年目以降です。

本連載は、2014年10月3日刊行の書籍『相続税をゼロにする生命保険活用術』から抜粋したものです。
本連載資料は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回りや運用成果等を保証するものではありません。また、本連載は、2014年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。
個別の具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。掲載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本連載で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険をかけられる人、その対象となる体を提供する人のことをいいます。

(注記)本来、相続税対策においては、保険をはじめとしてさまざまな金融商品・現物資産スキームを組み合わせての対策となりますが、本連載では効果をわかりやすく説明するために、最大限に生命保険を活用したかたちでケーススタディを掲載しています。

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連載相続税をゼロにする「生命保険活用術」

GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

相続税をゼロにする 生命保険活用術

相続税をゼロにする 生命保険活用術

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

平成27年の税制改正を前に、各種メディアに溢れかえる相続税対策の数々。しかし主流である不動産を使った対策をはじめとして、どれもこれも導入に手間がかかるうえに、投資額を棄損するリスクが高いものばかりです。生命保険な…

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