「出張手当」も賢く支給すれば節税可能

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「出張手当」も賢く支給すれば節税可能

出張手当については所得税と住民税が課税されず、社会保険料の負担も増えないため、手取り総額が多くなるメリットがあります。今回は、出張手当を上手く使って、会社も社員もトクをする方法を見ていきます。

一定基準を設けておけば出張でも節税できる

業務によっては、非常に出張が多いこともあるでしょう。このようなケースは、出張経費が交通費と宿泊費だけではもったいないかもしれません。きちんと出張手当の基準を作っておけば、かなりの節税になるはずです。
 
愛知県にある菓子メーカーに勤務するYさんは、月に7日ほどは地方への出張がありますが、出張すると出張手当が付くために貴重な収入になっているといいます。
 
「弊社は、課長の私で1日2500円なんですが、まとまった出張になることが多いので1週間も出張すると2万円弱になるんです。貴重なお小遣いです」
 
出張にかかった交通費、宿泊費は当然「経費」ですが、さらに「出張手当」を支払って経費にすることもできます。この出張手当と同額を「営業手当」として支払ってしまうと、これは給与の一部ですから課税されてしまいます。
 
従業員のほうも、同じ金額を給与上乗せではなく、出張手当としてもらうと、その分は所得税と住民税が課税されず、社会保険料の負担も増えませんから、手取り総額が多くなるというメリットがあります。営業手当てとして給料に上乗せされて受けとると課税対象となって、社会保険料などの対象にもなります。出張手当であれば、実質的に手取り額が増え、福利厚生という面でも有効というわけです。
 
この出張手当を支給するためには、出張旅費規定をきちんと作っておかなくてはなりません。出張旅費規定には、日帰り出張とされる地域、出張とみなされる期間などはもちろん、交通費と宿泊費、それぞれの金額を定めるものです。
 
場合によっては、交通費は実費、宿泊費のみを定額とし、それと別に日当を定めることもあります。
 
交通費と宿泊費を定額にする場合、金額は「いくらでもいい」というわけではなく、新幹線利用ならば普通運賃、宿泊費は駅前のビジネスホテルに泊まれるレベルの金額、日当は数千円といったところが一般的です。
 
一般の従業員と役員、社長の規定は別に定めます。社長ならば、グリーン車相当、ホテルはシティホテル並みとしても問題はなく、日当も社員の倍額でもいいでしょう。いうまでもありませんが、これも社会通念上、妥当な金額であることです。その業界や同業者と比較しても、妥当であることが大切です。

実費を安く抑え、規定の金額を計上する

出張旅費規定を作っておくと、もうひとつ大きなメリットがあります。 旅費は「実費精算」が基本ですが、出張旅費規定で、旅費、宿泊費の金額が決まっている場合は、実際にはもっと安く上がっていても、実費精算する必要がなくなるのです。つまり、出張旅費規定は正規料金で計算して作成されていますが、実際には規定された料金よりも安い場合があります。
 
社長さんの出張旅費規定では「グリーン車」が基準になっていても、空いていたので普通車に乗る場合もあるでしょう。その場合であっても、社長は規定どおりの「グリーン車相当金額」を経費として計上できることになります。宿泊費も同様です。いつも利用するホテルが満室だったため駅前の格安なビジネスホテルに泊まった場合でも、経費は規定どおりシティホテル相当金額で差し支えないということです。

 

次回は、納税を先送りし、当期の節税を行う方法をご紹介します。
 

 

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    本連載は、2012年12月19日刊行の書籍『スゴい「節税」』から抜粋したものです。その後の税制改正は反映されておりませんので、ご留意ください。

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    編著 GTAC

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