子世代だけになったときに「二世帯住宅」をどうするか?

相続税は原則、現金で支払う必要があります。相続税を払うために「家を売る」という最悪の事態を避けるには、二世帯住宅を活用した節税手法が有効です。本連載では、二世帯住宅のタイプごとに、具体的な相続税対策を見ていきます。

リフォーム、賃貸、売却・・・選択肢は複数

二世帯住宅の家族構成は時の経過とともに変化していくことになります。父親、母親とともに、あるいはその一方と同居を始めたとしても、最終的には子世帯だけとなることが予想されます。

 

そのように親世帯がいなくなった後に、二世帯住宅をどのように取り扱うのかが、相続後の資産プランを考えていく中で一つの大きな問題となるでしょう。選択肢としては、まず、子世帯はそのまま住み続け、親世帯の暮らしていた場所はリフォームなどを行った後で賃貸に供することが考えられます。いわゆる賃貸併用住宅として活用するわけです。

 

また、親がいなくなったことをきっかけに、二世帯住宅を売却するという選択肢もあり得ます。子ども世帯だけでは住むのに広すぎると感じており、また賃貸することも考えないのであれば、二世帯住宅を売って、手頃な広さのマンションなどに住み替えることは相続後の資産運用の現実的な一つのプランとなるはずです。

 

そして、賃貸併用住宅にするにせよ、売却するにせよ、親世帯がいなくなった後の二世帯住宅の取り扱いを考えるうえでは、建物の構造・形状が少なからず影響してくることになります。

大きく分けて3種類ある「二世帯住宅のタイプ」

二世帯住宅の形としては大きく、①完全同居タイプ、②完全分離タイプ、③部分共用タイプの3種類があります。

 

まず、①完全同居タイプは、完全に一つの屋根の下で親世帯、子世帯が同居する構造・形状となっているものです。具体的には、居間、台所、トイレなどすべての居室を共有することになります。

 

次に、②完全分離タイプは、居間、台所も含めた居室をすべて一つ一つ別々に作るタイプです。たとえば、共有スペースを全く設けることなく、玄関も別々で1階には親世帯、2階には子世帯が暮らすというような形が考えられるでしょう。

 

最後の③部分共用タイプは、居間だけあるいは居間と台所の両方などというように居住空間の一部を共有するタイプです。食事などはともにするが、基本的に、それ以外の生活は親世帯、子世帯がそれぞれ思い思いに営むといったライフスタイルのイメージになります。

本連載は、2015年7月30日刊行の書籍『親子で進める二世帯住宅節税』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載二世帯住宅の「タイプ別」に見る相続税対策

税理士法人 斎藤会計事務所  所長

税理士。
税理士法人斎藤会計事務所所長。1998年の事務所開業直後から会社設立支援に力を入れ、創業・融資・事業拡大と100社を超える経営計画のサポートを行う。近年は高齢の親を持つ子世代を対象にしたWebサイト「オヤノコト.net」で自らの体験を生かした相続人向けの相続について連載。著書に『独立を考えた時に読む本2002』『独立を考えた時に読む本2002―Ⅱ』(日経BP社)記事執筆、『相続の現場55例』(ダイヤモンド社)など。相続税対策セミナーも多数開催。

著者紹介

親子で進める二世帯住宅節税

親子で進める二世帯住宅節税

斎藤 英一

幻冬舎メディアコンサルティング

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