病歴があっても加入OK!? 「総合福祉団体定期保険」の活用方法

前回は、「リース投資」で自社株評価を億単位で下げる方法を紹介しました。今回は、「総合福祉団体定期保険」の活用方法を見ていきます。

健康状態や病歴について、詳しく告知する必要がない

これまで紹介してきた生命保険の活用スキームは、被保険者は保険契約時に「保険会社所定の健康状態」であることが求められます。

 

健康状態が思わしくないと、スキームそのものが実行できないため、いざというときに確実に大きなキャッシュを作ることは難しくなります。一方、相続や事業承継を考えるのは、やはり高齢になってからが多く、健康状態に不安な人が多いのが現実です。

 

そこで比較的ゆるい基準で契約でき、多くの企業が古くから採用している「総合福祉団体定期保険」という保険の仕組みについて紹介します。

 

この総合福祉団体定期保険は、会社全体で団体加入するもので、死亡保険と医療保険などがセットになっています。

 

保険料は全額が会社負担で、役員や従業員が死亡したり入院したりした場合に、保険会社から給付が受けられる仕組みです。そのため、「福利厚生制度」としての利用が一般的です。

 

歴史的に、この保険の保障内容や保険料は各保険会社でほぼ同一のものでしたが、最近、保険料を非常に割安にしたり、加入できる金額の上限を高めたり、加入条件を緩和したりと、保険会社によって差が出てきている分野でもあります。

 

この保険が持つ最大の魅力は、健康状態や病歴について詳しく告知する必要がなく、過去にがんを患った人でも、わずかな条件をクリアするだけで加入ができるという点です。とある保険会社では「直近2週間で入院していないこと」という項目のみを加入の条件としています。

1年更新のため、毎年保障内容の見直しが可能

また、この保険は役職別に保障内容を変えられます。役員の死亡時には3000万円の保障を、一般社員の死亡時には500万円の保障をというように、自由にプランニングできるのです。さらに1年更新のため、毎年毎年、従業員の数などを確認して、見直していける商品となっています。

 

保険料は100%損金です。法人の利益の圧縮にもつながり、役員や従業員の福利厚生のためにもなります。

 

そして、役員や従業員が死亡した際は、法人から遺族へ「死亡退職金」などの形で、現金を移転させることができます。なお、死亡退職金の支給については、解約移転スキームで説明した方法と同様に、いったん形式上、死亡保険金額が「雑収入」として利益計上されるものの、退職金を支払うことで損益の相殺が可能です。

 

遺族が受け取る死亡退職金は、第3章で説明した生存退職金(所得税・住民税の対象)とは違い、「相続税」の対象になります。そして死亡退職金には「500万円×法定相続人の数」だけ別枠で非課税枠があるので、とても有利です。

 

「持病があるから、もう保険は無理だ」「こんな高齢では保険料が高くつく」と思っていた人でも、単独でなく団体でなら保険に入れる可能性があります。法人から個人へ資産を移転するための一つの選択肢として考えることができます。

 

[図表]総合福祉団体定期保険

本連載は、2015年6月2日刊行の書籍『生命保険で実現する税金ゼロの財産移転』から抜粋したものです。

本連載は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回りや運用成果等を保証するものではありません。また、本連載は、2015年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別の具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。掲載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本連載で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険をかけられる人、その対象となる体を提供する人のことをいいます。商品パンフレット等で「逓増定期保険」「長期平準定期保険」といった表記がなされていても、税法上の保険種類とは異なる場合があります。本連載では税法に基づいた保険の名称を採用していますので、ご注意ください。

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GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

生命保険で実現する 税金ゼロの財産移転

生命保険で実現する 税金ゼロの財産移転

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

所得税、相続税、贈与税・・・財産を移転するだけで多額の税金がかかる日本。しかし、生命保険という「箱」を活用すれば、あらゆる税金を回避しながら資産移転ができるのをご存知でしょうか。 本書では、幻冬舎グループの資産…

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