自社株にかかる相続税の納税資金を「生命保険」で準備する方法

前回は、医療・死亡・介護保健がセットになった保険商品の活用法を紹介しました。今回は、自社株にかかる相続税の納税資金を「生命保険」で準備する方法を見ていきます。

自社株を買い取る資金として保険金を活用

「自社株の相続」については、不動産と同様、非常に頭を悩ませる問題の代表格です。ここでは、「相続人が相続した自社株を法人で買い取る」という仕組みを紹介していきます。

 

①法人で社長を被保険者にした死亡保険に入る

②社長が死亡すると、死亡保険金が法人に入る

③自社株が後継者等の相続人に相続される(後継者等に相続税の負担義務が発生する)

④後継者等の相続人に相続された自社株を法人で買い取る(金庫株にする)

⑤株の売却代金を受け取った後継者等の相続人は、それを原資に相続税を納税する

 

それでは、図で確認しましょう。今回、自社株評価20億円の会社を想定し、この自社株を相続したときの相続税を10億円とします。

 

[図表]自社株を買い取る資金を準備

 

まず、法人が契約者となり、被保険者である社長に10億円の生命保険をかけます。社長が死亡した時点で、法人のもとに10億円のキャッシュが入ってきます。

 

次に、死亡保険金10億円を元手にして、後継者等の遺族(相続人)が相続した株式を強制的に買い取ります(詳細は後述)。会社が株を買い取ると、相続人のもとに売却代金が入ってきます。それで相続税を納税するという形です。

 

これで法人の資産を相続人に移転する仕組みができます。社長死亡時にそなえ、十分な額の生命保険に入っておくことで、遺族が相続税を払えずに会社を潰してしまう・・・といった最悪の事態を避けられます。

「経営権」を誰に移すかを明確にしておく

このスキームを実行するときに大事なことが二つあります。「経営権の問題」と「ルール策定」です。

 

仮に、会社の株式が相続発生により、次の通りになったとして考えてみます。

 

<相続前>発行株式数100株

●社長100株所有

<相続後>発行株式数100株

●長男25株所有(後継者)

●長女25株所有(経営に関与しない・させない)

●次男25株所有(経営に関与しない・させない)

●次女25株所有(経営に関与しない・させない)

 

一つめの「経営権の問題」です。後継者は長男と決まっていますが、このままの状況では、過半数の株式を保有していないため、思い通りの経営ができません。そこで、

 

●誰が後継者になるのか

●後継者になる人物が過半数または2/3以上の株を持つのか

 

といったことを確認して、分散した株式の買い取りを実施することになります。

 

この話は次回に続きます。

本連載は、2015年6月2日刊行の書籍『生命保険で実現する税金ゼロの財産移転』から抜粋したものです。

本連載は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回りや運用成果等を保証するものではありません。また、本連載は、2015年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別の具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。掲載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本連載で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険をかけられる人、その対象となる体を提供する人のことをいいます。商品パンフレット等で「逓増定期保険」「長期平準定期保険」といった表記がなされていても、税法上の保険種類とは異なる場合があります。本連載では税法に基づいた保険の名称を採用していますので、ご注意ください。

GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

連載生命保険を活用した「税金ゼロ」の資産移転術

生命保険で実現する 税金ゼロの財産移転

生命保険で実現する 税金ゼロの財産移転

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

所得税、相続税、贈与税・・・財産を移転するだけで多額の税金がかかる日本。しかし、生命保険という「箱」を活用すれば、あらゆる税金を回避しながら資産移転ができるのをご存知でしょうか。 本書では、幻冬舎グループの資産…

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