医療・死亡・介護保険がセットになった保険商品の活用法

前回は、多くの掛け捨て保険で活用できる「ゼロ変スキーム」について説明しました。今回は、医療・死亡・介護保険がセットになった保険商品の活用法を見ていきます。

ミックスされた商品は「経理処理」に注意を

ここまで、死亡保険とがん保険、医療保険の名義変更について紹介してきましたが、これらをミックスした保険商品もあります。「医療保険」「死亡保険」「介護保険」の3つがセットになった保険商品です。

 

このミックス保険は掛け捨て型であり、法人から個人へゼロ円で名義変更できることは同じですが、「法人での保険料の経理処理」と「個人へ変更後の処理」の2点について若干注意が必要です。

 

法人での保険料の経理処理については、死亡保険、医療保険、がん保険、いずれも単独で加入する場合には保険料の100%を損金算入できますが、ミックスされた商品に関しては、10%損金となります。そのため、保険料を支払う場合には、経理処理に注意が必要です。


以下の図表を見てみましょう。今回は、年間の保険料が150万円で10年間保険料を支払う保険となっていますが、損金に算入できるのは、10%の15万円だけで残りの90%は資産計上されます。

 

[図表]死亡保障、介護保障つき医療保険の名義変更

 

ただし、保険料の支払期間は10年で、10年後に個人へ移転する方針をとると、1500万円支払ってきて、そのうち90%分の1350万円を資産計上した保険を「ゼロ」の価値で譲渡するため、「雑損失」が発生します。結果的に、10年目に名義を変更した時点で、これまでの保険料の全額を損金に算入したことと同じことになるのです。

 

つまり、10年間支払う保険料は10%損金算入ですが、10年経過後に名義を個人に変更したときには、残りの90%も損金になるという仕組みです。

「指定代理請求特約」で、法人資産を無税で家族へ移転

次に、名義変更後の処理です。名義変更した場合に、社長個人には、

 

●入院や手術の給付金(医療保険としての役割)

●死亡保険金(死亡保険としての役割)

●介護給付金(介護保険としての役割)

 

の3つの保障があります。仮にそれぞれの給付金や保険金を受け取った場合に、どのような処理になるのかをまとめてみます。

 

●入院や手術の給付金は、社長個人で受け取ると非課税

●社長が死亡し、遺族が死亡保険金を受け取ると、死亡保険金は相続税の対象

●社長が保険会社所定の介護状態になり、介護給付金を受け取った場合は非課税

 

入院や手術の給付金は、社長個人では1円も保険料を負担していませんが、受け取る給付金は全額非課税となり、実質的に会社から無税で財産移転をした形になります。

 

介護給付金については、社長個人が受け取っても、もちろん非課税ですが、「指定代理請求」という特約をつけることで、家族が代理で受け取れる仕組みがあり、そちらの場合も非課税になります。家族が受け取ることになれば、実質的に法人の資産が無税で家族に移転される形になります。

本連載は、2015年6月2日刊行の書籍『生命保険で実現する税金ゼロの財産移転』から抜粋したものです。

本連載は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回りや運用成果等を保証するものではありません。また、本連載は、2015年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別の具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。掲載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本連載で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険をかけられる人、その対象となる体を提供する人のことをいいます。商品パンフレット等で「逓増定期保険」「長期平準定期保険」といった表記がなされていても、税法上の保険種類とは異なる場合があります。本連載では税法に基づいた保険の名称を採用していますので、ご注意ください。

GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

連載生命保険を活用した「税金ゼロ」の資産移転術

生命保険で実現する 税金ゼロの財産移転

生命保険で実現する 税金ゼロの財産移転

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

所得税、相続税、贈与税・・・財産を移転するだけで多額の税金がかかる日本。しかし、生命保険という「箱」を活用すれば、あらゆる税金を回避しながら資産移転ができるのをご存知でしょうか。 本書では、幻冬舎グループの資産…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧