前回は、アパート経営の成功のカギを握る「リフォーム」の進め方を紹介しました。今回は、アパート経営において目的が異なる「2種類のリフォーム」の違いを見ていきます。

やらなければ物件の運営を維持できない「復旧工事」

賃貸物件のリフォームには、不具合を正常化する「復旧工事」と、物件の価値向上を目的とした「アップグレード工事」の二種類があります。「復旧工事」はマイナスをゼロに戻すものです。「アップグレード工事」は文字通りプラスαを求め、家賃の維持またはアップを狙うものです。

 

簡単な例を挙げるなら、「復旧工事」は、水道から水が漏れているとか、網戸が破れているといった不具合の修繕です。もっと大規模なものだと、外壁のタイルがはがれ落ちる寸前で、そのままでは入居者や通行人に被害が及ぶ場合の工事などです。

 

要するに、その工事をやる、やらないの判断ではなく、やらなければ物件を運営できないものが「復旧工事」だと考えてください。ただし、「復旧工事」においても「費用対効果」の視点は重要ですのでコストを抑える工夫は必要です。

「アップグレード工事」は費用対効果が見合うか?

一方の「アップグレード工事」は、「復旧工事」と異なり、必ず行わなければいけないものではなく、「費用対効果」を考えてやるか、やらないかを判断する工事です。例えば、キッチンを変えた場合に、現状のままと交換した場合とで比較し、どういった効果が得られるのかをきちんと考える必要があります。

 

賃料アップなどに効果が表われなければ、無意味なリフォーム(支出)となってしまいます。工事を行う場合には、まずそれが「復旧工事」なのか、それとも「アップグレード工事」に該当するのかをしっかりと考えた上で判断することが大切です。

 

もちろん、両方が混在する場合やはっきり線引きできない工事もありますが、リフォーム(改修工事)を行う上での基本的な考え方として認識しましょう。

 

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    本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『改訂版 空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    本連載は情報の提供及び学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資・経営(管理運営)の成功を保証するものではなく、本連載を参考にしたアパート事業は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本連載の内容に基づいて経営した結果については、著者および幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。なお、本連載に記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時のものであり、今後、変更されることがあります。

    空室率40%時代を生き抜く!  「利益最大化」を実現する アパート経営の方程式

    空室率40%時代を生き抜く! 「利益最大化」を実現する アパート経営の方程式

    大谷 義武 太田 大作

    幻冬舎メディアコンサルティング

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