急激な物価高に円安……不安要素が大きくなるなか、大企業の夏の賞与は前年度から大幅増となりました。それとは逆に大幅減となったのが国家公務員。制度的な“時差”によるところが大きいものでしたが、生活不安が拡大しているなかでのことに同情の声が多く聞かれています。みていきましょう。
平均給与41万円…国家公務員、夏の賞与大幅減に「もうやってられない!」過酷な現状 (写真はイメージです/PIXTA)

大企業の夏のボーナスは大幅増…一方で国家公務員は大幅減

一般社団法人日本経済団体連合会が発表した『2022年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)』によると、大手企業105社の夏季賞与平均は92万9,259円。昨年よりも14%増となりました。同じく一般財団法人労務行政研究所が東証プライム上場企業(127社、月数集計は130社)を調査したところ、2022年夏季賞与・一時金の支給水準は76万5,888円。前年比6.5%増となりました。

 

――大手企業はこんなにもらっているんだ

 

そう、驚愕する人も多いでしょう。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した「2022年夏のボーナス見通し」では、事業規模5人以上の民間企業全体の夏季賞与の平均支給額は、平均38万3,949円と予想。大手企業の半分程度といったところでしょうか。とはいえ、まずは大手企業の賞与があがらないことには、ほかに波及しないということから、好意的な意見が多く聞かれます。

 

一方で、世間をざわつかせたのが、国家公務員の夏のボーナス。管理職を除く平均支給額は58万4,800円(平均年齢34.2歳)で昨年と比べて11.5%減、金額にして7万6,300円の減少となりました。ボーナス減少は2年連続のことです。

 

公務員の給与は民間準拠となっているので、「なぜ?」と思った人もいたことでしょう。これは民間企業との格差解消のため0.075ヵ月分、引き下げとなったこと、さらには昨年8月に人事院による0.15ヵ月分の引下げを行うという勧告によるもの。今回支給される国家公務員のボーナスは、コロナ禍の2020年8月から2021年7月までの民間のボーナス支給実績が反映されるため、民間企業からだいぶ遅れて賞与減となったわけです。

 

さらに地方公務員の場合、給与支給のルールは条例によって定められているので国家公務員の場合とは異なります。ただ国家公務員に準じる自治体が多いため、国家公務員同様、大幅な賞与減となると見込まれています。